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月刊誌「改革者」2013年9月号
「改革者」2013年9月号 目次
 

羅 針 盤(9月号)

              集団的自衛権問題で「新しい野党像」示せ

                             加藤 秀治郎
                 東洋大学法学部教授、政策研究フォーラム副理事長


  民主党の周辺は、参院選のショックで茫然自失だが、大事なのは今後である。 再建路線にせよ、政界再編にせよ、この三年半の経験からどんな「教訓」を引出すかが重要である。 「新しい野党像」をしっかり胸に刻んで行動せよ、と注文したい。 状況は厳しいが、今は新しい野党像を探る勢力にとって好機でもある。 集団的自衛権、「一票の格差是正」、「社会保障と税の一体改革」など、与野党を超えて取組むべき課題が山積しているからだ。 新しい野党像とは、「責任野党」と言換えてもよいが、「万年野党」の怠惰を拒否し、「明日の与党」を目指す路線である。 西欧なら常識的な路線だが、五五年体制で「抵抗野党」「万年野党」の惰性に馴染んでしまった政治家には、なかなか受入れてもらえない。 小選挙区主軸の選挙制度の下では、政権を目指すなら、多数派から支持される路線以外に選択肢がない。現実的政策を示し、与党と競争しなければならないのである。 初めから限定少数派を相手にしている公明党や共産党とは別なのだ。 外交や防衛などでは、与党に協力すべきは協力しながら、主に内政に争点を求め、現実的な代替策を示し、選択を迫る路線だ。 五五年体制の惰性から抜けきれない政治家は、与党に「点数稼ぎ」をさせることはないということで、抵抗路線を選びやすいが、それでは多数派国民にソッポを向かれる。 さて安倍首相だが、小松前駐仏大使を内閣法制局長官に指名するなど、集団的自衛権の解釈変更に向け、着々と布石を打っている。 「万年野党」ならただ「断固反対」を唱え、数の限られた不満分子を惹きつけ、党勢を盛りかえせば万々歳であり、共産党などはそうしている。 だが、そういう路線は、「責任野党」には許されない。 集団的自衛権は、北朝鮮の暴発、尖閣列島などでの中国の挑発など、国際情勢が厳しい現在、緊喫の課題であり、政争の道具にしていていいはずがない。 自民党と「責任野党」が協力して、一刻も早く解決すべき問題なのである。 そういう活動を積み重ね、自民党と比べて「ベター」となった時、投票してもらえるのだ。
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