活動報告

2019年「全国会議」概要報告

  • 日時:2019年2月21日(木)~22日(金)
  • 会場:大田区産業プラザPiO(東京都大田区南蒲田1-20-20)
  • 参加者:284名

総合テーマ「激変する国際社会と日本の活路

☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

 2018年は、これからの日本と世界を考える上で重要な年でした。相変わらず安倍一強は続いているものの、 9月の自民党総裁選では、対抗馬の石破茂氏が予想を上回る得票をしました。 このことは、地方を中心に自民党関係者にも安倍政権への不満や不安が高まっていると感じています。政権側もその辺りを意識したのかどうか、 11月以降、入国管理法改正による外国人労働者の積極的な受け入れ策を実施しました。人手不足に悩む地方の声に応えようということのようですが、 果たして首尾よく進むのでしょうか。野党のいうように拙速感は否めませんが、長期的には外国人労働者のさらなる受入れを避けたいのも事実です。
 外交は、秋の米国中間選挙で共和党は下院の過半数を失い、トランプ政権は苦境に立たされたとも言われます。 民主党多数派の下院に配慮して大統領は対日貿易に厳しい注文をつけてくると思われます。他方、ロシアのプーチン大統領は、 9月のウラジオストックでの「東方経済フォーラム」で、安倍首相に対して「前提条件なしでの昨年中の平和条約締結」という大胆な提案をしましたが、 具体的な成果は上がっていません。アジアでも韓国の徴用工判決や対中対立の行方はもちろん、米朝会談の動向も気になります。
 今回の全国会議では、「激変する国際社会と日本の活路」と題して、国際情勢の最新動向、国際経済の諸問題、日本政治の近況について、 専門家の方々を交えた論議をいたしました。初日の第1部会では、「激変する国際政治と日本の対応」について、 米ロの最新動向を交えた日本と東アジア情勢の解説とこれからの日本の動向について論議を行いました。2日目の第2部会では、 「対立する国際経済関係と日本の活路」について、米国第一主義に端を発する国際関係の緊張、米中貿易戦争、英国のEU離脱、 日米TAG交渉などについて論議を行いました。第3部会では、「混迷する日本政治の活路」について、 安倍政権を中心とする政局の動向と春の統一地方選挙および夏の参議院選挙についての分析、安倍政権や日本政治の中長期的な問題点等について論議を行いました。

第1日(2月21日・木曜日

開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30~13:00)
基調講演 「激変する国際社会と日本の活路」  (13:10~14:10)
政策研究フォーラム常務理事・中央大学教授  谷口 洋志 氏

司会:主催者挨拶:加藤 秀治郎副理事長
来賓:岸本 薫 電力総連会長
来賓:小林 正夫 参議院議員
基調講演:谷口 洋志 常務理事
閉会挨拶:谷藤 悦史 理事長
会場風景

第一部会 「激変する国際政治と日本の対応」(14:20~17:10)

報告者
北海道大学名誉教授 木村 汎 氏
東京国際大学 国際戦略研究所教授 村井 友秀 氏
平成国際大学教授 和田 修一 氏
司会者
東洋大学名誉教授 加藤 秀治郎 氏

第一部会の皆さん

 木村氏は、プーチン大統領の戦術・戦略と日露が2019年度中の平和条約締結に否定的な見解を述べるとともに、 北方領土返還は困難と述べた。村井氏は「中国の夢」と日本の未来と題し、中国共産党の戦略ならびに中国共産党の権力構造について報告された。 和田氏は、トランプ外交の特徴や北東アジアでの国際関係の変化について報告された。3氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった。

報告者:木村 汎 氏
報告者:村井 友秀 氏
報告者:和田 修一 氏
司会者:加藤 秀治郎 氏

第2日(2月22日・金曜日

第二部会「対立する国際経済関係と日本の活路」(9:30~12:10)
報告者
参議院議員 大塚 耕平 氏
キヤノングローバル戦略研究所 小手川 大助 氏
東洋大学教授 中北 徹 氏
司会者
東京国際大学教授 大岩 雄次郎 氏

第二部会の皆さん

 大塚氏は、日米欧中の動きと米中貿易戦争、半導体製造工程における日本の危うさ、マネタリーベースと株価について報告された。 小手川氏は、北朝鮮と国際情勢、中国情勢、米国中間選挙と米中交渉の見通しについての見解を述べた。中北氏は、米中新冷戦とその中での日本の活路について、 米中対立は貿易・通商分野のみならず、政治・外交・軍事におよぶトータルな対立、摩擦へと広がってくるとの見解を述べた。3氏は会場からの質問に答えながら、 討議を深めていった。

報告者:大塚 耕平 氏
報告者:小手川 大助 氏
報告者:中北 徹 氏
司会者:大岩 雄次郎 氏

第三部会 「混迷する日本政治の活路」 (13:10~15:50) 

報告者
共同通信社総合選挙センター長 池田 健夫 氏
ノンフィクション作家、評論家 塩田 潮 氏
成蹊大学教授 高安 健将 氏
司会者
上智大学教授 河崎 健 氏

第三部会の皆さん

 池田氏は、統一地方選挙の投票率推移と党派別当選者割合の推移、ならびに参議院選投票率の推移と、 世論調査と投票行動ならびに参議院選挙の行方について報告された。塩田氏は、安倍首相の評価と安倍一強と政党政治の今後、 参議院選挙と今年前半の政治についての見解を述べた。高安氏は、健全な政党間競争の必要性とともに、官僚機構の忖度政治の弊害、 そして野党のあり方について見解を述べた。3氏は会場の質問に答えながら、討議を深めていった。

報告者:池田 健夫 氏
報告者:塩田 潮 氏
報告者:高安 健将 氏
司会者:河崎 健 氏

「2019年全国会議」の詳細は会員誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。