2017年「全国会議」概要報告
- 日時:2017年2月23日(木)~24日(金)
- 会場:コクヨホール(東京都港区港南1-8-35)
- 参加者:319名
総合テーマ「日本の活路をどう切り拓くか」
☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。
2016年は、参議院選挙のほか、予定外の東京都知事選挙などが行われました。参院選では、最高裁の違憲状態判決を受け、初めて合区がなされ、 今までの都道府県別選挙区割りが大きく変更されて実施されました。 そうした中で、野党共闘が組まれ、1人区では野党が善戦をしましたが、全体としてみれば自民党の一強体制を崩すことはできませんでした。
国外に目を向けると、アメリカではメディアの予想に反してトランプ新大統領が誕生することになり、 その選挙戦中のさまざまな発言から日米関係での不安も広がっています。中国の海洋進出や、北朝鮮の核問題など、東アジアの不安定な状況が続いているため、 日米同盟がどうなるのか、懸念も広がっています。
国内では、年金法案やTPP法案、IR法案など、国民の理解が広まらないまま、与党による採決が強行され、 自民党の数を背景とした「横暴」とも言える政権運営がなされています。 国民を置き去りにした政権運営の下でありながら、与党は内閣支持率、政党支持率ともに堅調を維持しています。
このような国際情勢、国内情勢の下、日本のあり方を国民の意向に沿った方向に大きく転回させるには、どうしたらよいかという観点から、 2017年の全国会議は、「日本の活路をどう切り拓くか」を統一テーマとしました。
第1部会では、トランプ新大統領の誕生で不安視される日米関係を中心に、「新たな日米関係をどう切り拓くか」、広く東アジア情勢などを踏まえて論議し、 今後の日米関係の方向性を討論しました。
第2部会では、消極的なものでありながら、支持を集め、長期政権まで視野に入れている現在の安倍体制、「一強多弱」の状況を中心に、 「『一強多弱』の閉塞感をどう克服するか」を討論し、国内情勢や欧米の政党政治などを比較しながら、一強多弱を打破する方策を模索しました。
第3部会では、経済政策としてアベノミクスへの国内外の評価は低いにもかかわらず、それに関連したTPPや金融などの政策を強行に推し進めています。 こうした経済政策に対して、「日本経済の閉塞感をどう切り拓くか」をテーマに、新たな経済政策を討論しました。
第1日(2月23日・木曜日)
開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞 (12:30~13:00)
基調講演 「日本の活路をどう切り拓くか」 (13:10~14:10)
政策研究フォーラム理事長・早稲田大学教授 谷藤 悦史 氏






第一部会 「新たな日米関係をどう切り拓くか」(14:20~17:00)
報告者
民進党・衆議院議員 長島 昭久 氏
キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹 小手川 大助 氏
拓殖大学海外事情研究所・所長 川上 高司 氏
司会者
筑波学院大学名誉教授 浅川 公紀 氏

長島氏は、北朝鮮のミサイル開発が予想以上に進展している中で、日米連携を更に強化すべきと述べた。 小手川氏は、トランプ政権の政策・人脈について報告し、世界ならびに米国経済の今後について見解を述べた。 川上氏は、米国大統領選挙におけるトランプ勝利の要因、人物像、日米同盟の2つのシナリオについて見解を述べた。 3氏と浅川氏は会場からの質問に答えながら、論議を深めていった。




第2日(2月24日・金曜日)
第二部会「『一強多弱』の閉塞感をどう克服するか」(9:30~12:10)
報告者
前参議院議員・元経済産業大臣 直嶋 正行 氏
上智大学教授 河崎 健 氏
東洋大学名誉教授 加藤 秀治郎 氏
司会者
日本大学教授 岩渕 美克 氏

直嶋氏は、現状の政党別・党派別の国会の勢力分野を報告し、旧民主党はマニフェストやシャドーキャビネット等、 イギリスの政党政治を手本としたが、うまく機能しなかったと述べた。河崎氏は、トイツ社会民主党の現状、ドイツにおける政党政治等について報告し、 日本に対する示唆を述べた。加藤氏は、55年体制の古い争点が、今も過大に重視され続けている体制からの脱却が重要であると述べた。 3氏と岩渕氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった。




第三部会 「日本経済の閉塞感をどう切り拓くか」 (13:10~15:50)
報告者
民進党・参議院議員 大塚 耕平 氏
帝京大学教授 宿輪 純一 氏
中央大学教授 谷口 洋志 氏
司会者
東海大学特任教授 川野辺 裕幸 氏

大塚氏は、技術革新の加速が経済に与える影響、マネタリーベースと金利ならびに株価の動向について報告し、見解を述べた。 宿輪氏は、米国トランプ政権の経済政策の考え方、ならびに日本の金融政策が限界にあると主張され、将来不安が閉塞感の原因と述べた。 谷口氏は、グローバル経済見通しについてデータを基に報告し、米国と中国のインフラ建設、そしてインドの経済成長に注目すべきと述べた。 3氏と川野辺氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった。




☆「2017年全国会議」の詳細は会員誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。