活動報告

2018年「全国会議」概要報告

  • 日時:2018年2月22日(木)~23日(金)
  • 会場:大田区産業プラザPiO(東京都大田区南蒲田1-20-20)
  • 参加者:282名

総合テーマ「混乱する世界と日本の進むべき道

☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

 2017年は激動ともいえる年でした。都知事選を受けての東京都議選での小池ブームは、女性初の総理誕生さえ予感させるものでした。 しかし、小池新党や野党共闘などが整わないすきを狙っての安倍首相の大義なき解散・総選挙はこうしたムードを壊す効果すら持っていたようです。
 結果は、小池新党である希望の党の失速、民進党の分裂などにより、小選挙区制という選挙制度も相まって、自民党の圧勝という予想外のものに終わりました。 この結果には、北朝鮮の危機などの要因が強く働いていたようです。トランプ大統領の誕生によって、世界情勢は軍事衝突の可能性まで出ています。 こうした情勢の中で、日本は経済大国としてどのような行動を取るべきなのでしょうか。 今回の全国会議では、「混乱する世界と日本の進むべき道」を総合テーマに、 国際情勢、AIなどによる産業革命、離合集散をくり返す野党の再編について論議いたしました。
 初日の第1部会では、「東アジアと日本」と題して、様々な危機や問題を抱える東アジア情勢の解説と日本の取るべき対応について議論します。 北朝鮮の危機のみならず、中国や韓国の反日感情にどのように対応するかといったことも、今後の日本外交や防衛に大きな影響をもたらしかねません。 現場に詳しい元海上幕僚長の古庄氏などをお迎えし、現実的な議論を展開しました。
 2日目午前の第2部会では、「第4次産業革命と日本経済」について議論いたしました。 AIなどを中心とした第4次産業革命は、日本人の働き方を変える効果を持つといわれています。 産業革命については、さまざまな議論が展開されていて、分かりにくくなっています。 どのくらいの労働人口を削減する効果を持つのか、働き方そのものの改革をもたらすものとなりうるのか、 そして、教育・訓練や能力開発についても議論を展開いたしました。
 午後の第3部会では、「日本の新たな政党政治を求めて」をテーマにしました。小池劇場は、 政党そのものを崩壊し政党よりも党首の人気だけで闘うことを全面に押し出したように感じます。 また、官邸主導で行われる与党の政策も政党を無視しているかのようです。 政界再編も含めて、改めて政党政治について、先の総選挙で引退された前衆議院副議長の川端達夫先生をお迎えし、政治の現実に即した議論をいたしました。

第1日(2月22日・木曜日

開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞       (12:30~13:00)
基調講演 「混乱する世界と日本の進むべき道」   (13:10~14:10)
政策研究フォーラム常務理事・中央大学教授    谷口 洋志 氏

司会:加藤秀治郎 副理事長
主催者挨拶:谷藤 悦史理事長
会場風景
来賓:岸本 薫 電力総連会長
来賓:小林 正夫 参議院議員
基調講演:谷口 洋志 常務理事

第一部会 「東アジアと日本」(14:20~17:10)

報告者
元海上幕僚長 古庄 幸一 氏
麗澤大学客員教授 西岡  力 氏
PHP総研主任研究員 前田 宏子 氏
司会者
明星大学教授 山崎 元泰 氏

第一部会の皆さん

 古庄氏は、これからの安全保障は単に『東アジア・日本』では問題解決できず、全世界の問題として捉え、 日本の現状とは何か、どう対処すべきかを報告された。 西岡氏は、北朝鮮情勢ならびに従北革命が進行している韓国の現状問題について報告された。 前田氏は、中国外交の変容と日中関係と題し、今後の日中関係と日本の対応について報告された。 3氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった。

報告者:古庄 幸一 氏
報告者:西岡 力 氏
報告者:前田 宏子 氏
司会者:山崎 元泰 氏

第2日(2月23日・金曜日

第二部会「第4次産業革命と日本経済」(9:30~12:10)
報告者
日本ILO協議会企画委員 熊谷 謙一 氏
東洋大学教授 川崎 一泰 氏
明海大学講師 萩原 理沙 氏
司会者
東京国際大学教授 大岩 雄次郎 氏

第二部会の皆さん

 熊谷氏は、第4次産業革命の内容、国際機関の見解、日本での予測と現状、労働分野での対応と課題、 日本労使の課題と挑戦について報告された。川崎氏は、日本のIT投資と生産性について図表を基に報告され、第4次産業革命は人間の仕事を奪うのか、 補完するかについて述べた。萩原氏は、AI・IoTの導入による懸念や置き換え、失業への対応策としての能力開発ならびに教育・訓練の促進について報告された。 3氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった。

報告者:熊谷 謙一 氏
報告者:川崎 一泰 氏
報告者:萩原 理沙 氏
司会者:大岩 雄次郎 氏

第三部会 「日本の新たな政党政治を求めて」 (13:10~15:50) 

報告者
前衆議院副議長 川端 達夫 氏
早稲田大学教授 谷藤 悦史 氏
平成国際大学教授 石上 泰州 氏
司会者
東洋大学名誉教授 加藤 秀治郎 氏

第三部会の皆さん

 川端氏は、ご自身の長きに亘る議員経験を踏まえた体験談と、現在の政治情勢および現状の野党体制についての懸念と見解を述べた。 谷藤氏は、世界のポリュリズム政治の広がりは日本にとっても無縁ではないと報告され、安倍政治の脆弱性、日本の野党に求められるもの、 そして新たな政党制についての見解を述べた。石上氏は、地方選挙における野党の動向として、首長選挙および議会選挙における政党との関係について、 図表を基に報告され、討議を深めていった。

報告者:川端 達夫 氏
報告者:谷藤 悦史 氏
報告者:石上 泰州 氏
司会者:加藤秀治郎 氏

「2018年全国会議」の詳細は会員誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。