2026年「全国会議」概要報告
- 日時:2025年2月17日(月)~18日(火)
- 会場:「砂防会館」(東京都千代田区平河町)
- 参加者:368名
総合テーマ「競争から協創へ」
☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。
政策研究フォーラム2026年全国会議は、国内外の情勢が激動する中、大きくかつ急速に変動する中で、今後を的確に見据え、歩んでいく方向性を見定めるべく開催いたします。
国際社会では、ロシアによるウクライナ侵攻(2022年2 月)から4 年近くが経過しましたが、和平への道筋は未だに見えません。欧米諸国によるウクライナ支援は一枚岩とは言えず、米中の緊張関係は増し、世界主要国や同盟国間の分断・分極化が顕在化しており、世界の政治・経済における諸国間や同盟国間の均衡関係が変容しつつあります。国内政治では衆院選(24年10月)と参院選(25年7 月)を経て、石破政権から高市政権へ移行し、連立政権の組み換えが行われましたが、国内経済は物価上昇が名目所得を上回る状況が続き、国民生活を圧迫しています。今後、持続可能で公正な税・財政政策は確実に実施されるのでしょうか。アメリカの極端な自国優先主義が世界の勢力図を変えつつある中、日米同盟やその影響力はどのように変容していくのでしょうか。少子高齢化が加速する日本において、社会保障の負担をめぐる世代間摩擦や若者の政治参加、さらには雇用の場や組合活動などをめぐり、次世代への継承はどのように展開されていくのでしょうか。
2026年全国会議は「競争から協創へ」をテーマとして、基調講演と3 つの部会を開催します。1 日目の基調講演では、国内外のさまざまな紛争と摩擦を協調と連携、さらには新たな創造へと転化させるための方策を考えます。何が喫緊の課題であり、どのような処方箋が出されるべきなのか探ります。第1 部会では、「今、求められる税・財政政策は何か?~物価高対策の意義と実効性を考える」を論題に、低所得者支援、積極財政、財源確保などを含めた諸課題について議論します。2 日目の第2 部会では、「『アメリカ・ファースト』下の日本の安全保障」~ポスト覇権世界での日本の戦略~」を論題に、日米同盟に基軸を置く日本には今後どのような選択肢があるのか、中国、台湾、北朝鮮、韓国、ロシアの戦略を踏まえつつ考えます。第3 部会では、「シルバー・デモクラシーからの脱却~世代間対立を超えて~」を論題に、国民民主党や参政党の躍進の背景にある多くの若者層の支持等に注目し、SNSが若者の政治意識の変化に及ぼす影響、若者の世代間不平等意識やその脱却の方途について議論します。以上のように全国会議では、ミクロ(個人、地域、団体・組織)・メゾ(国家)・マクロ(国際)における変動を理解し、今後の日本が取るべき方向性を多角的・多層的に追求します。そして労働組合と組合員の皆様にとって今後の活動の羅針盤となる機会を提供します。
第1日(2月9日・月曜日)
開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞 (12:30~13:00)
基調講演 「競争から協創へ」 (13:10~14:10)
政策研究フォーラム理事長・中央大学名誉教授 谷口 洋志 氏






第一部会 「今、求められる税・財政政策は何か―物価高対策の意義と実効性を考える」
(14:20~17:10)
報告者
立憲民主党 小西 洋之 氏
国民民主党 政務調査会長 浜口 誠 氏
中央大学教授 川崎 一泰 氏
司会者
青山学院大学名誉教授 中村 まづる氏

中道改革連合の政策は生活者ファーストへの転換、給与の額面が増える経済構造の構築、生活必需品の物価引き下げ、立憲民主党の消費税を0%に下げる政策について、小西氏が述べられた。浜口氏は、住民税の控除額を引き上げる「年収の壁」基礎控除の所得制限の撤廃。賃金上昇率が物価上昇+2%に安定するまで、消費税を一律5%に引き下げる国民民主党の政策が述べられた。川崎氏は、物価上昇の抑制を目指すのではなく、それを超える賃上げが必要。成長がなければ豊かにはなれない。良い製品やサービスを高く売ることで生産性は上がる、そのためにもサービスに対する価格転嫁が必要であると述べられた。




第2日(2月10日・火曜日)
第二部会「「アメリカ・ファースト」下の日本の安全保障-ポスト覇権世界での日本の戦略」
(9:30~12:10)
報告者
防衛大学校教授 倉田 秀也 氏
朝日新聞外交専門記者 牧野 愛博 氏
防衛研究所国際紛争史研究室長 千々和泰明 氏
司会者
広島大学大学院教授 永山 博之 氏

前嶋氏は冒頭、日本では大きな勘違いをしている向きがあるが、この選挙は「トランプの圧勝」では決してなかった。一般票はハリスと、わずか1.5ポイント差で21世紀では最も僅差と述べ、国際秩序を支えてきた国家主体の中心にあるアメリカの変質がますます顕著になっているため「グローバル・ガバナンス」という概念そのものがいま、大きな危機を迎えているとの見解を示した。河﨑氏は、トランプはヨーロッパが先送りしてきたこと、目をつぶってきたもの、ヨーロッパにどういうことができるのかを突いていると述べた。五十嵐氏は、トランプは予測不能と言われるが、第1次政権の政策の延長線上で考察できる。習近平はバイデンより、やりやすいのではないか。こぶしは振り上げるがテーブルの下では手を握る。日本はうまく立ち回らないといけない。そこにかかっていると述べた。




第三部会 「シルバー・デモクラシーからの脱却-世代間対立を超えて」 (13:10~15:50)
報告者
慶應義塾大学教授 谷口 尚子 氏
拓殖大学教授 河村 和徳 氏
宇都宮大学教授 中村 祐司 氏
司会者
防衛大学校名誉教授 有賀 誠 氏

川崎氏は、物価上昇の抑制を目指すのではなく、それを超える賃上げが必要。成長しないと豊かになれない。これまでとれていなかった料金をきちんととるだけでも生産性は上がると述べた。山本氏は、物価上昇の原因は、化石燃料価格の上昇だ。エネルギー価格の変動は人件費の上昇以上の影響を経営に与える。日本経済は、脱炭素のスピードを緩めても、競争力ある安定電源を確保しAI、半導体製造などの産業を育成する必要があると述べた。丸山氏は社会全体の社会保障費を縮小することは難しく、可処分所得の引き上げのために税・社会保障で何ができるか、複雑な税制や社会保障制度を理解することが必要。近視眼的な個人にどのように理解を訴えるかが課題と述べた。




☆「2026年年全国会議」の詳細は会員誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。