2026年「全国会議」概要報告
- 日時:2026年2月9日(月)~10日(火)
- 会場:「砂防会館」(東京都千代田区平河町)
- 参加者:368名
総合テーマ「競争から協創へ」
☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。
政策研究フォーラム2026年全国会議は、国内外の情勢が激動する中、大きくかつ急速に変動する中で、今後を的確に見据え、歩んでいく方向性を見定めるべく開催いたします。
国際社会では、ロシアによるウクライナ侵攻(2022年2 月)から4 年近くが経過しましたが、和平への道筋は未だに見えません。欧米諸国によるウクライナ支援は一枚岩とは言えず、米中の緊張関係は増し、世界主要国や同盟国間の分断・分極化が顕在化しており、世界の政治・経済における諸国間や同盟国間の均衡関係が変容しつつあります。国内政治では衆院選(24年10月)と参院選(25年7 月)を経て、石破政権から高市政権へ移行し、連立政権の組み換えが行われましたが、国内経済は物価上昇が名目所得を上回る状況が続き、国民生活を圧迫しています。今後、持続可能で公正な税・財政政策は確実に実施されるのでしょうか。アメリカの極端な自国優先主義が世界の勢力図を変えつつある中、日米同盟やその影響力はどのように変容していくのでしょうか。少子高齢化が加速する日本において、社会保障の負担をめぐる世代間摩擦や若者の政治参加、さらには雇用の場や組合活動などをめぐり、次世代への継承はどのように展開されていくのでしょうか。
2026年全国会議は「競争から協創へ」をテーマとして、基調講演と3 つの部会を開催します。1 日目の基調講演では、国内外のさまざまな紛争と摩擦を協調と連携、さらには新たな創造へと転化させるための方策を考えます。何が喫緊の課題であり、どのような処方箋が出されるべきなのか探ります。第1 部会では、「今、求められる税・財政政策は何か?~物価高対策の意義と実効性を考える」を論題に、低所得者支援、積極財政、財源確保などを含めた諸課題について議論します。2 日目の第2 部会では、「『アメリカ・ファースト』下の日本の安全保障」~ポスト覇権世界での日本の戦略~」を論題に、日米同盟に基軸を置く日本には今後どのような選択肢があるのか、中国、台湾、北朝鮮、韓国、ロシアの戦略を踏まえつつ考えます。第3 部会では、「シルバー・デモクラシーからの脱却~世代間対立を超えて~」を論題に、国民民主党や参政党の躍進の背景にある多くの若者層の支持等に注目し、SNSが若者の政治意識の変化に及ぼす影響、若者の世代間不平等意識やその脱却の方途について議論します。以上のように全国会議では、ミクロ(個人、地域、団体・組織)・メゾ(国家)・マクロ(国際)における変動を理解し、今後の日本が取るべき方向性を多角的・多層的に追求します。そして労働組合と組合員の皆様にとって今後の活動の羅針盤となる機会を提供します。
第1日(2月9日・月曜日)
開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞 (12:30~13:00)
基調講演 「競争から協創へ」 (13:10~14:10)
政策研究フォーラム理事長・中央大学名誉教授 谷口 洋志 氏






第一部会 「今、求められる税・財政政策は何か―物価高対策の意義と実効性を考える」
(14:20~17:10)
報告者
立憲民主党 参議院議員 小西 洋之 氏
国民民主党 参議院議員 浜口 誠 氏
中央大学教授 川崎 一泰 氏
司会者
青山学院大学名誉教授 中村 まづる氏

中道改革連合の政策は生活者ファーストへの転換、給与の額面が増える経済構造の構築、生活必需品の物価引き下げ、立憲民主党の消費税を0%に下げる政策について、小西氏が述べられた。浜口氏は、住民税の控除額を引き上げる「年収の壁」基礎控除の所得制限の撤廃。賃金上昇率が物価上昇+2%に安定するまで、消費税を一律5%に引き下げる国民民主党の政策が述べられた。川崎氏は、物価上昇の抑制を目指すのではなく、それを超える賃上げが必要。成長がなければ豊かにはなれない。良い製品やサービスを高く売ることで生産性は上がる、そのためにもサービスに対する価格転嫁が必要であると述べられた。




第2日(2月10日・火曜日)
第二部会「「アメリカ・ファースト」下の日本の安全保障-ポスト覇権世界での日本の戦略」
(9:30~12:10)
報告者
防衛大学校教授 倉田 秀也 氏
朝日新聞外交専門記者 牧野 愛博 氏
防衛研究所国際紛争史研究室長 千々和泰明 氏
司会者
広島大学大学院教授 永山 博之 氏

千々和氏からは日米安全保障をめぐっての「非対称性」・「双務性」・「対等性」・「互恵性」について述べられ、日本は武装解除されているので、自衛権を行使する有効な手段を持たないが、無責任な軍国主義が、世界から排除されておらず、日本には防衛への対策が必要なため、アメリカとの安保条約を結んでいるが、近年のアメリカの政策は自国ファーストとなっていることから、課題が多く存在すると話された。牧野氏からは、日本国憲法9条の改正については、なぜ武力の行使を永久に放棄すると謳われているのかなど、その理由や目的についての「教育」が非常に重要になると述べられた。倉田氏からは、以前の日米同盟の関係から、トランプ政権となった今、大きな変化があり、もしも台湾有事が勃発したときに、アメリカが台湾の支援に動かないとなれば、そもそも存立危機事態があてはまらない可能性もあると述べられた。




第三部会 「シルバー・デモクラシーからの脱却-世代間対立を超えて」 (13:10~15:50)
報告者
慶應義塾大学教授 谷口 尚子 氏
拓殖大学教授 河村 和徳 氏
宇都宮大学教授 中村 祐司 氏
司会者
防衛大学校名誉教授 有賀 誠 氏

谷口氏は、日本におけるシルバー・デモクラシーと政治的対立の諸相について、有権者である高齢者が量的に優位になると、年金・医療・介護に関わる政策が優先され、現役世代の利益に繋がる労働政策や子育て・教育など将来世代への投資となる政策が軽視されるかも知れない。その結果、社会保障を支える負担の不均衡に対する現役・将来世代の不満が高まり、経済や社会の持続可能性が危ぶまれると述べられた。河村氏は年功序列とデジタル化から紐解く現状からの脱却について述べられ、日本で進まない政治家のデジタル化には、デジタル化が進んでいる韓国・台湾・エストニアでは、デジタル化と民主化が同時期に発生したことが大きいと話された。




☆「2026年年全国会議」の詳細は会員誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。