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2025年「全国会議」概要報告
・日 時:2025年2月17日(月)〜18日(火)
・会 場:「砂防会館」(東京都千代田区平河町港区海岸2-7-4)
・参加者:328名
総合テーマ「危機の克服」
☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

 政策研究フォーラム2025年全国会議は、国内外の情勢が激動する中、われわれが今後進むべき方向性を
見定めるべく開催いたした。
 2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻は、いまだにその帰趨が判明していません。ウクライナの
防衛作戦は欧米諸国の支援で続けられていますが、支援の今後の見通しもはっきりとはわかりません。2023年
に始まったガザ侵攻も終わる見通しが立ちません。国際情勢は、急速に不安定化しつつありますが、その背後
にあるのはアメリカの覇権衰退です。
 このような状況で、2024年の米大統領選挙では、トランプ氏が再選されました。第2次トランプ政権の
行方は予断を許しませんが、第1次トランプ政権の方向性、すなわち「アメリカ・ファースト」、アメリカの
国益が第1に重要であり、既存国際秩序の維持や同盟国を含む他国の利益はそれに比べて二義的な重要性しか
持たないという路線は、今後もさらに推進されると考えなければなりません。これまでの対外約束や既存の
政策路線もリセットされる可能性があります。こうした可能性を含み、日本の政策を立てていなければなり
ません。
 世界経済は、インフレ懸念がやや沈静化し、堅実な成長への道程を歩みつつあります。日本経済はようやく、
緩いインフレと賃金上昇の好循環を歩み始めたばかりです。この動きを着実に持続させるための経済政策と、
労使の協力が必要です。日本の抱える多くの問題は、日本経済の低成長に起因しています。着実な成長を実現
できるよう、あらゆることをすべきです。
 2025年全国会議は、「危機の克服」をテーマとして、基調講演と3つの部会を開催しました。
 1日目の基調講演では、正念場を迎えている日本経済の今後の見通しを分析しました。労働者にとって
重要であるだけでなく、日本社会のすべてのことが経済成長にかかっているからです。
 これに続き第1部会では、「政策合意と連立の行方 ―新しい政治をどうつくるか―」を論題にして、
2024年総選挙以後の自公連立政権と野党との関係の変化を踏まえて、政策課題にどう向き合うか、2025年夏
の参院選にどう取り組むかを議論しました。
 2日目の第2部会では、「米トランプ政権に世界はどのように対応すべきか」を論題にして、アメリカ、
欧州、中国の専門家が議論しました。第2次トランプ政権が起こすと見られる大転換が米国や国際社会に与える
影響や求められる対応について、専門家の議論を通じて、事実と認識を共有しました。
 第3部会では、「実質賃金引き上げには何が必要か」を論題に、賃金上昇を実質的な豊かさにどのように
つなげていくのかを、マクロ経済、税・社会保障、エネルギー政策などの切り口で議論しました。
 基調講演と3つの部会の議論は、今後の日本の方向性を見定める羅針盤となるように構成いたしました。
参加者のみなさまが、全国会議の議論を踏まえて、労働組合が、組合員の意識と行動をよりよいものにして
いくための機会になりましたら幸甚に存じます。
   第1日(2月17日・月曜日)
     開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30〜13:00)
     基調講演 「転換期における日本経済の展望」
            (13:10〜14:10)
      政策研究フォーラム副理事長・青山学院大学教授 中村 まづる 氏
主催者挨拶:谷口 洋志 理事長 来賓:壬生 守也 電力総連会長 来賓:川合 孝典 参議院議員
基調講演:中村 まづる 副理事長   司会:永山 博之 常務理事     会場風景
  第一部会 「政策合意と連立の行方ー新しい政治をどうつくるか」    (14:20〜17:10
   報告者 立憲民主党
     立憲民主党 代表代行
長妻 昭 氏
第一部会の皆さん
 
    〃  国民民主党 代表代行   古川 元久 氏
    〃  産経新聞編集委員室長兼特任編集長                 田北 真樹子 氏
   司会者 宇都宮大学教授   中村 祐司 氏
 長妻氏は、給与が物価を上回れば社会保障は解決する。労働生産性はヨーロッパ並みに上がっているのに日本だけ賃金が上がらないと述べた。古川氏は、政治に求めるのは目の前の生活をよくしてもらいたい。旧民主党の失敗は、目の前の生活に期待した国民に、政党としてやりたいことをやってしまったことと述べた。田北氏からは、選択的夫婦別姓より今の生活。国会が議論できるようになったことは良いこと。スキャンダルを予算委員会で議論する虚しさを国民がわかったとの見解を述べた。
   報告者:長妻 昭 氏   報告者:古川 元久 氏   報告者:田北 真樹子 氏   司会者:中村 祐司 氏
   第2日(2月18日・火曜日)
  「米トランプ政権に世界はどのように対応すべきか」(9:30〜12:10)
   報告者 上智大学教授 前嶋 和弘 氏
第二部会の皆さん
 
    〃  上智大学教授   河ア  健 氏
    〃  防衛研究所地域研究部
     中国研究室専門研究員
  五十嵐 隆幸 氏
   司会者 中央大学名誉教授   谷口 洋志 氏
 前嶋氏は冒頭、日本では大きな勘違いをしている向きがあるが、この選挙は「トランプの圧勝」では決してなかった。一般票はハリスと、わずか1.5ポイント差で21世紀では最も僅差と述べ、国際秩序を支えてきた国家主体の中心にあるアメリカの変質がますます顕著になっているため「グローバル・ガバナンス」という概念そのものがいま、大きな危機を迎えているとの見解を示した。河ア氏は、トランプはヨーロッパが先送りしてきたこと、目をつぶってきたもの、ヨーロッパにどういうことができるのかを突いていると述べた。五十嵐氏は、トランプは予測不能と言われるが、第1次政権の政策の延長線上で考察できる。習近平はバイデンより、やりやすいのではないか。こぶしは振り上げるがテーブルの下では手を握る。日本はうまく立ち回らないといけない。そこにかかっていると述べた。
  報告者:前嶋 和弘 氏  報告者:河ア 健 氏  報告者:五十嵐 隆幸 氏  司会者:谷口 洋志 氏
 
   第三部会 「質賃金引き上げには何が必要か」 (13:10〜15:50) 
   報告者 中央大学教授   川崎 一泰 氏
第三部会の皆さん
 
     〃  常葉大学名誉教授
      国際環境経済研究所副理事長兼所長
  山本 隆三 氏
      〃  上智大学教授 丸山  桂 氏 
  司会者   青山学院大学教授   中村 まづる 氏
 川崎氏は、物価上昇の抑制を目指すのではなく、それを超える賃上げが必要。成長しないと豊かになれない。これまでとれていなかった料金をきちんととるだけでも生産性は上がると述べた。山本氏は、物価上昇の原因は、化石燃料価格の上昇だ。エネルギー価格の変動は人件費の上昇以上の影響を経営に与える。日本経済は、脱炭素のスピードを緩めても、競争力ある安定電源を確保しAI、半導体製造などの産業を育成する必要があると述べた。丸山氏は社会全体の社会保障費を縮小することは難しく、可処分所得の引き上げのために税・社会保障で何ができるか、複雑な税制や社会保障制度を理解することが必要。近視眼的な個人にどのように理解を訴えるかが課題と述べた。
  報告者:川崎 一泰 氏   報告者:山本 隆三 氏   報告者:丸山 桂 氏   司会者:中村 まづる 氏
    ☆「2025年全国会議」の詳細は会員誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2024年「全国会議」概要報告
・日 時:2024年2月19日(月)〜20日(火)
・会 場:「東京都立産業貿易センター浜松町館・5階展示室」(東京都港区海岸1-7-1)
・参加者:303名(含:Web参加者)
総合テーマ「日本をどう再生するか」
☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

 2020年以降、世界は大混乱と危機的状況に直面し、国内外で分断と対立が生じています。それを招いた
のは、2020年から世界的に大流行したコロナ禍、2022年2月に勃発したロシアによるウクライナ侵略戦争
(ウクライナ戦争)、2023年10月に発生したイスラエル・ハマス戦争、です。
 これらの問題のうち、ある程度下火となったコロナ禍以外の問題は今なお世界を分断、動揺させています。
ウクライナ戦争に対して国連加盟国の4分の3がロシア非難に加わったものの、残りの4分の1は一度もロシア
非難に加わっていません。また、ロシア非難・ウクライナ支援で結束した西側諸国は、パレスチナ・ガザ地区
での人道的休戦国連決議では対応が割れています。
 こうした世界情勢の混乱と分断・対立の一方、各国経済は2021年からインフレ問題やエネルギー危機に直面
したものの、複数回の利上げを通じてインフレをある程度コントロールできるようになっています。こうした
中で日本だけが金融緩和・財政緩和措置を続け、インフレ問題を残しながらも、回復の兆しを見せているのが
現状です。
 しかし、日本経済は、コロナ禍前の経済水準をようやく回復した段階であり、また、ここ10年の間にGDP、
競争<力、幸福度、銀行、大学などの世界ランキングにおいて日本の地位が低下ないし低迷しており、これを
転換すべく、再生・復活にむけての強いモメンタム(弾み、勢い)が求められています。
 今年の全国会議では、「日本の再生」をテーマに、例年のように、基調講演と3つの部会を開催しました。
 1日目の基調講演では、日本の現状を取り上げ、日本の再生・復活が求められる背景といくつかの重要課題を
提起しました。これに続く第1部会では、目下の最重要課題である「持続的な賃上げ」を取り上げ、それが期待
される背景、経済効果、実現のための手段・方策や課題などについて、立憲民主党や国民民主党の代表者を交え
て経済政策の専門家ともに議論しました。  2日目午前の第2部会では、「求められる企業と労働組合の社会的責任」を取り上げます。企業や労働組合が
直面する環境変化や、これからの企業と労働組合には何が求められ、何ができるのかについて、企業の社会的
責任、企業倫理、労使関係・女性労働論の専門家が議論しました。  午後の第3部会では、世界情勢や日本の国際関係の在り方を左右する要因の1つとして「2024年米大統領選挙
と米国の動向」を取り上げ、現職バイデン大統領やトランプ前大統領の動向、ウクライナやパレスチナ情勢の
影響、米国国内での分裂拡大など不確定要素が多いなかで、米国の現状理解、可能な選択肢やシナリオについ
て、米国の政治、経済、社会・宗教、国際政治・安全保障の専門家が議論しました。  参加者の皆さまとともに、第3部会の議論を通して米国を中心とする世界情勢を把握し、第1部会と第2部会の
議論によって労働組合の貢献と役割を改めて再認識される機会になりましたら幸甚に存じます。
   第1日(2月19日・月曜日)
     開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30〜13:00)
     基調講演 「日本の再生を目指して」
            (13:10〜14:10)
      政策研究フォーラム理事長・中央大学名誉教授 谷口 洋志 氏
主催者挨拶:谷口 洋志 理事長 来賓:壬生 守也 電力総連会長 来賓:濱口 誠 参議院議員
基調講演:谷口 洋志 理事長 閉会挨拶:中村 まづる 副理事長     会場風景
  第一部会 「持続的な賃上げに向けて」    (14:20〜17:10
   報告者 立憲民主党
     党企業・団体交流委員長
大 島   敦 氏
第一部会の皆さん
 
    〃  国民民主党 代表   玉 木 雄一郎 氏
    〃   元東京国際大学教授                  大岩 雄次郎 氏
   司会者 中央大学教授   川 崎 一 泰 氏
 大島氏は、バブル崩壊後、経営者は正社員を雇わない、新規事業をやらない、無借金にすることでリーマンを乗り切ったことが成功体験になっていると述べた。玉木氏は、現在のコストプッシュインフレから、賃上げが物価上昇を導くよう要求することが大事と述べた。大岩氏からは、日本国内から新興国へ投資がシフトし、イノベーションも遅れ、収益率も上がらないにもかかわらず、危機感は高まらないとの見解を述べた。
   報告者:大島  敦 氏  報告者:玉木 雄一郎 氏   報告者:大岩 雄次郎 氏   司会者:川崎 一泰 氏
   第2日(2月20日・火曜日)
  「私たちには何ができるのか:企業と労働組合の社会的責任」(9:30〜12:10)
   報告者 高崎経済大学学長 水口  剛 氏
第二部会の皆さん
 
    〃  立教大学教授   首藤 若菜 氏
    〃  麗澤大学企業倫理研究センター長   寺本 佳苗 氏
   司会者 宇都宮大学教授   中村 祐司 氏
 水口氏は、企業年金は、労働者が最終的な受益者となる労働者のための資本である。この資本は労働者の利益のために使うべきであり、環境・社会に配慮して運用することが、結局は労働者にとっても利益となると述べた。首藤氏は、従来は産別最賃・特定最賃で組合にカバーされない人々の底支えをしてきた。組合の社会的意義はどこにあるのか。社会を牽引する組合運動をと述べた。寺本氏は、企業単体の短期的な利益だけを追い求めるのではなく、企業その他の組織との連関関係のもとで長期的に適切な範囲で成果を上げること、そのための自社の役割を考えて実践していくことが企業の責任の一つと述べた。
  報告者:水口 剛 氏  報告者:首藤 若菜 氏  報告者:寺本 佳苗 氏  司会者:中村 祐司 氏
 
   第三部会 「2024米大統領選挙と米国の動向」 (13:10〜15:50) 
   報告者 国際貿易投資研究所 研究主幹   高 橋 俊 樹 氏
第三部会の皆さん
 
     〃  南山大学教授   山 岸 敬 和 氏
      〃  帝京大学准教授 藤 本 龍 児 氏 
  司会者 広島大学大学院教授、法学部長   永 山 博 之 氏
 高橋氏は、バイデン大統領が気候変動対策を積極的に打ち出したのは、脱中国依存を目指す米国の経済政策の一環として、リチウムやバッテリーでの対中依存を減らし、米国の脆弱性からの回復を目指していると述べた。山岸氏は、トランプ氏はレーガン的な保守ではなく、変化した保守。敵対的ポピュリズムで、何をするかではなく、何を支持しない、何に怒っているという原理原則のない改革者と述べた。藤本氏は、米国では宗教に属していないと政治家になれない。無所属は0.2%。共和党の予備選では、宗教保守を味方につけなければ候補になれない。福音派と言われる宗教保守は米国人の3〜4割になると述べた。
  報告者:高橋 俊樹 氏   報告者:山岸 敬和 氏   報告者:藤本 龍児 氏   司会者:永山 博之 氏
    ☆「2024年全国会議」の詳細は会員誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2023年「全国会議」概要報告
・日 時:2023年2月20日(月)〜21日(火)
・会 場:大田区産業プラザPiO「コンベンションホール」(東京都大田区南蒲田1-20-20)
・参加者:295名(含:Webリモート参加者)
総合テーマ「歴史の転換点に立つ国際社会と日本」
−ロシアによるウクライナ侵略がもたらした国際社会の変化と日本の課題を考える−
☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

 2022年の全国会議の直後、ロシアがウクライナに軍事侵略を開始しました。独立国家ウクライナを武力で侵
略することは、明確な国際法違反であり、冷戦終結後の国際秩序に対する挑戦でもあります。ロシアは国連安
全保障理事会の常任理事国として拒否権を持っているため、国連安全保障理事会も機能障害に陥ってしまいました。
 ウクライナ戦争は、経済的にも国際社会に大きな影響を与えました。ロシアに対して取られた経済制裁に伴
って、ロシアからヨーロッパへの天然ガスや石油の輸出が止まり、供給不足からエネルギー価格が高騰してし
まいました。またウクライナが小麦の主要輸出国であるため、世界的な小麦生産量に不足が生じ、小麦価格の
高騰を招くとともに、途上国は食糧不足に陥っています。加えて、エネルギー価格の高騰は、製造や輸送、日
常生活のコストを押し上げて、国際的にもインフレを加速させることになってしまいました。
 このような国際環境の悪化は、わが国にも多大な影響を与えています。ウクライナ戦争に伴うエネルギーや
食糧の価格高騰に加えて、アメリカがインフレ抑制のために高金利政策を導入したことで、急激な円安・ドル
高が起きてしまいました。円安はすべての輸入品のコストを引き上げることになり、相次ぐ商品の値上げラッ
シュを招き、物価高に直面することになりました。その一方で、物価高はまだ賃金には反映されていません。
 このようなウクライナ問題によって引き起こされた国際社会の大きな変化に対して、日本はどう対応すれば
良いのでしょうか。今回の全国会議では、これらの問題を総合的に検討いたしました。
 1日目は、基調講演で国際秩序の変化と日本の外交課題についての問題提起に続き、第1部会において、野
党の経済政策について議論しました。歴史的な円安と物価高に直面するなかで、野党はどんな政策を持ち、与
党と対峙するのでしょうか。立憲民主党と国民民主党の代表にご参加いただき、野党の経済政策について専門
家とともに議論いたしました。
 2日目午前の第2部会では、ウクライナ戦争の終結方法とその後の国際秩序について議論を行いました。長期
化の様相と呈しているウクライナ戦争をどう終結させることができるのか、また終結後の国際秩序はどうなる
のか、についてロシア、ヨーロッパ、アメリカの専門家が議論いたしました。
2日目午後の第3部会においては、ウクライナ戦争によってもたらされた日本の経済危機が、われわれの日
常生活や雇用に対してどんな影響を与えるかをテーマとしました。食糧やエネルギー問題、労働・雇用などの
面でどんな対応を取るべきか、について議論しました。
 ロシアのウクライナ侵略に伴って歴史の転換点に立つ国際社会にあって、その課題は何か、それにわが国は
どう対応していったら良いのか、議論を深めることができました。
   第1日(2月20日・月曜日)
     開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30〜13:00)
     基調講演 「ロシアによるウクライナ侵略後の
            国際秩序の変化と日本の外交課題」
(13:10〜14:10)
      政策研究フォーラム常務理事・平成国際大学名誉教授 和田 修一 氏
主催者挨拶:谷藤 悦史 理事長 来賓:坂田 幸治 電力総連会長 来賓:川合 孝典 参議院議員
基調講演:和田 修一 常務理事 閉会挨拶:谷口 洋志 副理事長     会場風景
  第一部会 「野党の経済政策で日本は救えるか」    (14:20〜17:10
   報告者 立憲民主党 代表 泉   健 太 氏
第一部会の皆さん
 
    〃  国民民主党 代表   玉 木 雄一郎 氏
    〃   中央大学教授                  谷 口 洋 志 氏
   司会者 元東京国際大学教授   大 岩 雄次郎 氏
 泉氏は、20世紀モデルからの転換を図り、技術革新を取り戻す。国内GAFAみたいなものをいかに創っていくか、国産重視だと述べた。 玉木氏は、給料が持続的に上がる経済を実現させるため、未来、人への投資を着実に行うべきと述べた。谷口氏からは、日銀の金融政策は世界の非常識である。 日本は経済成長があっても税収が伸びにくい構造になっている。減税を軽々しく言うのは無責任との見解を述べた。
   報告者:泉 健太 氏  報告者:玉木 雄一郎 氏   報告者:谷口 洋志 氏   司会者:大岩 雄次郎 氏
   第2日(2月21日・火曜日)
  第二部会 「ウクライナ戦争後の国際秩序はどうなるのか」(9:30〜12:10)
   報告者 慶應義塾大学教授 廣 瀬 陽 子 氏
第二部会の皆さん
 
    〃  帝京大学教授   渡 邊 啓 貴 氏
    〃  上智大学教授                  前 嶋 和 弘 氏
   司会者 東洋大学名誉教授   加 藤 秀治郎 氏
 廣瀬氏は、ウクライナ侵攻で浮き彫りになった問題を国際社会が解決できなければ、世界は「力による現状変更」を認めることになる。 専制主義国家との対立軸の中でグローバルサウスの存在感も増す認識を民主主義国家はしっかりと押さえた上で、今後の世界秩序を考えていくべきと述べた。渡邊氏は、 欧州は集団防衛体制から集団安全保障体制への変容を試みたが、ウクライナ戦争は「外交による平和」の模索の挫折だと述べた。前嶋氏は、アメリカの視点からバイデン政権としては負けられない戦争であり 、徹底した国際協調によるNATO諸国との連携で欧米関係を修復したいが、政争の具の可能性もと述べた。
  報告者:廣瀬 陽子 氏  報告者:渡邊 啓貴 氏  報告者:前嶋 和弘 氏  司会者:加藤 秀治郎 氏
 
   第三部会 「今こそ必要な国民生活のための政策転換」 (13:10〜15:50) 
   報告者 キヤノングローバル戦略研究所
  研究主幹 
  山 下 一 仁 氏
第三部会の皆さん
 
     〃  中央大学教授   川 崎 一 泰 氏
      〃  法政大学教授 梅 崎   修 氏 
  司会者 駒澤大学教授   清 滝 仁 志 氏
 山下氏は、半世紀以上も農政自体が掲げた目的や国民全体の利益に反する政策を実施。農政は矛盾の固まりで農政が農業を破壊している。減反は食料自給率を下げる政策と述べた。川崎氏は、資源価格上昇は海外企業収益の改善につながり、国内企業の収益にはならず、賃上げにつながらない。節電では経済成長から乗り遅れる。廉価で安定的なエネルギーを確保せよと述べた。梅崎氏は、現在の「ジョブ型」人事制度も、本来の定義とは離れ、その目標は「成果主義」と同じで、ジョブ型への移行は「椅子から立たせる方法」、「椅子に座らせる方法」ではないとの見解を述べた。
  報告者:山下 一仁 氏   報告者:川崎 一泰 氏   報告者:梅崎  修 氏   司会者:清滝 仁志 氏
    ☆「2023年全国会議」の詳細は会員誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2022年「全国会議」概要報告
・日 時:2022年2月21日(月)〜22日(火)
・会 場:大田区産業プラザPiO「大展示ホール」(東京都大田区南蒲田1-20-20)
・参加者:300名(含:Webリモート参加者)
総合テーマ「国際情勢を踏まえた日本の政策課題」
☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

 2021年秋に行われた第49回衆議院総選挙は、与党の勝利に終わりました。コロナ対策で閉塞感を見せ、支持
率が大きく低下していた管政権でしたが、自民党はトップを岸田首相に置き換え、有権者の目先を変えること
に成功したと言えます。
 総選挙で問われたものは、自民党政権の実績よりも、野党の政治的役割や選挙直前に合意した野党4党の共
闘についてであったように思われます。立憲民主党は小選挙区での票の積み増しを狙って、共産党、社会民主
党、れいわ新選組とのあいだで政策協定を結び共闘態勢で臨みました。しかしながら、その政策には実現がむ
ずかしい課題も多いばかりか、共産党との選挙協力に対する批判も根強く、立憲民主党は議席を減らしました。
議席を伸ばしたのは、野党共闘に加わらなかった日本維新の会と国民民主党でした。この総選挙結果を踏まえ
て、今後、野党はどのような姿勢で与党と対峙すればいいのでしょうか。
 一方、国外において無視できないのが中国の動向です。コロナにより主要国の多くで経済活動が停止状態に
陥る中、中国経済はいち早く立ち直りを見せました。国内では習近平体制が一層強化され、香港の民主派を一
掃するとともに、東シナ海や南シナ海での勢力拡大の動きを活発化させています。アメリカではトランプから
民主党のバイデンへ政権が交代しましたが、米中対立は依然厳しさを増しております。
 国内の経済や社会も、コロナ禍の影響を大きく受けてきました。その中で進んだのが、テレワークやオンラ
イン会議の拡大という働き方の変化です。それは、長時間労働の是正を柱とする働き方改革やライフサイクル
の変化にとっても大きな意味を持っています。その新たな変化は政府が推進するデジタル・トランスフォーメ
ーション(DX)とも相まって、社会を大きく変える可能性が出てきています。
 これらを踏まえ、初日の第1部会では、衆議院総選挙の総括と野党の今後の重点政策について立憲民主党と
国民民主党の代表の方に出席いただき、国会運営に臨む方針や22年夏に予定されている参議院通常選挙に向
けた対策などについて議論を致しました。
 2日目午前の第2部会では、中国をめぐる安全保障と経済について議論し、日本は安全保障では中国とさまざ
まに対立している反面、日本経済は貿易額で第一位となった中国との関係を無視しては成り立ちません。この
ような安全保障と経済のジレンマをどう乗り越えることができるかを考えました。
2日目午後の第3部会では、コロナ禍で進められたテレワークやオンライン会議を通じて明らかになった働
き方の課題を捉えつつ、デジタル技術を活用した豊かな働き方を実現していく際の課題と進むべき方向性を議
論しました。
 内外の政治・経済・社会情勢の変化を受けて、さまざまな課題が生じています。今回の全国会議では、新し
い課題を明らかにしつつ、それらにどう対応していったらいいのかについて議論を深めることができました。

   第1日(2月21日・月曜日)
     開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30〜13:00)
     基調講演 「総選挙後の政治課題    」   (13:10〜14:10)
      政策研究フォーラム理事長・早稲田大学名誉教授  谷藤 悦史 氏
主催者挨拶:谷藤 悦史 理事長 来賓:坂田 幸治 電力総連会長 来賓:小林 正夫 参議院議員
 基調講演:谷藤 悦史 理事長 閉会挨拶:加藤秀治郎 常務理事     会場風景
  第一部会「衆議院議員選挙の総括と各党の重点政策」 (14:20〜17:10)
   報告者 立憲民主党 参議院議員 野 田 国 義 氏
第一部会の皆さん
 
    〃  国民民主党 参議院議員   大 塚 耕 平 氏
    〃   ノンフィクション作家、評論家                  塩 田   潮 氏
   司会者 上智大学教授   河 崎   健 氏
 野田氏は衆院選総括として、野党結集して与党に対することを第一義としたが、直すところは直すことが大切と述べ、大塚氏は、 何とか生き残ったというのが端的な総括であると述べた。 塩田氏からは、コロナによって写し出された衰退した日本、長期低迷、先進国からの脱落という歴史的転換期での選挙であったが、 直前での表紙の取り換えの秘策や野党の無策によるところで、今回の国民の審判結果となったと述べた。
   報告者:野田 国義 氏  報告者:大塚 耕平 氏   報告者:塩田 潮 氏   司会者:河崎 健 氏
   第2日(2月22日・火曜日)
  第二部会「対中関係における安全保障と経済のジレンマ」(9:30〜12:10)
   報告者 防衛大学校教授 佐々木 智 弘 氏
第二部会の皆さん
 
    〃  早稲田大学大学院教授   青 山 瑠 妙 氏
    〃  中央大学教授                  谷 口 洋 志 氏
   司会者 平成国際大学教授   和 田 修 一 氏
 佐々木氏は、今年秋に行われる5年に1度の党大会において人事が決定されるが、3期目を目指す習近平総書記の党中央政治局での権力基盤は盤石と述べた。 青山氏は中国外交を占ううえで、国際社会の動きに合わせて変わる可能性と国内に焦点を合わせなければならないのかがあるが、習近平は国内しか見ていないと述べた。 谷口氏は世界経済において中国の存在感がどんどん強まっており、特に中国貿易は小国にとって依存度が強く影響力が増して、強い立場になりつつある。また、 世界の仕組みに根を張り、習近平には戦略的思考があると述べた。
  報告者:佐々木 智弘 氏  報告者:青山 瑠妙 氏  報告者:谷口 洋志 氏  司会者:和田 修一 氏
 
   第三部会「DX推進と働き方改革」         (13:10〜15:50)
   報告者 東洋大学名誉教授    山 田   肇 氏
第三部会の皆さん
 
      〃  連合総研 主幹研究員   中 村 天 江 氏
      〃  東洋大学教授 久 米 功 一 氏
   司会者 中央大学教授   谷 口 洋 志 氏
 山田氏は、少ない生産年齢人口で日本を支えるには生産性を圧倒的に改善するのが王道であり、DXが求められる理由でもある。今後、医療・介護のDXや行政のDX、 その先に経済社会全体のDXがあると述べた。中村氏は、テクノロジーの進化における問題として、「思うように進まない」点を上げ、期待ほどのスピードで技術は実現・浸透しないと述べた。 久米氏は、デジタル化は定型業務を代替えし、非定型相互業務を補完する。非定型手仕事業務増加の背景には、高齢化や世帯規模の縮小、高スキル就業者の増加という需要面の構造変化があり、 非定型手仕事業務への参入が賃金格差を拡大させたと述べた。
  報告者:山田  肇 氏   報告者:中村 天江 氏   報告者:久米 功一 氏   司会者:谷口 洋志 氏
    ☆「2022年全国会議」の詳細は会員誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2021年「全国会議」概要報告
・日 時:2021年2月24日(水)〜25日(木)
・会 場:大田区産業プラザPiO「大展示ホール」(東京都大田区南蒲田1-20-20)
・参加者:325名(含:リモート参加者)
総合テーマ「コロナ後の世界と日本」
☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

 この1 年は全国会議の直後から、日本のみならず世界中が新型コロナ・ウイルスの問題で揺れた
激動の年でありました。
春先のいわゆる「第一波」にとどまらず、冬場になってもウイルスは相変わらず世界中で猛威を振
るっております。もちろん世界の人々が無策だった訳ではありません。経済対策と感染防止の両立
を図るべく、独自の対策を立てる国もあれば、医療崩壊を防ぐべく徹底した外出禁止令を出した国
もあります。わが国の状況は欧米諸国と比べれば感染者数も死亡者数も少ないですが、アジア各国
との比較では決して楽観視できる状況ではありません。一日も早いワクチンの開発・普及が待たれ
るところです。一方、この1 年は日本の内外で激しい変動が立て続けに起きました。8 月には安倍
首相の突然の辞意表明から菅首相の就任、経済では、株価がバブル崩壊後最高値を更新しましたが、
30年前の高揚感を想起させるものではありません。
米国大統領選挙では、大勢判明後もトランプ大統領が敗北を受け入れず、政権移行の準備が進まな
いという異常事態が続きました。いち早くコロナ禍からの脱出を宣言した中国は、米国の混乱を尻
目に国際社会で影響力を増しているようです。
今回の全国会議は、「コロナ後の世界と日本」と題し、感染症との戦いを交えながら新たな展開を
見せている国内外の政治経済を見据えて、様々な議論を展開することにしました。
 初日の第1 部会では、中国をめぐる国際関係を取り上げ、コロナ禍にあって中国は医療品の援助
を通じた「マスク外交」を戦略的に展開しています。一方で、中国と激しく対立したアメリカでは
政権が変わりました。中国がどのような外交を展開していくのか、アメリカの対中外交はどう変わ
るかなどについて議論を行いました。
 2 日目午前の第2 部会では、国際経済がテーマで、コロナ禍で大打撃を受けた先進国や新興・途
上国では、一部に急回復の兆しが見られるものの、今なお不確実性が蔓延しています。本部会では、
米国、中国、アセアン諸国を中心に、2020年を振り返り、2021年以降の各国経済と国際経済関係に
ついて議論しました。
 2 日目午後の第3 部会では、コロナ禍で痛んだ経済をいかに再生させるかを考え、ヒト、モノ、
カネがグローバル展開することを前提とした経済体制の中、ヒトの往来、モノの流通も制約される
一方、ICTを使った新しい取引や働き方が急速に浸透しています。コロナ後の経済も見通しながら今
後の成長戦略を考えました。感染症との戦いという先行き不透明な状況で、我々はいかに前進すべ
きか。皆様と一緒に、多様な視点から議論を深めることができました。
   第1日(2月24日・水曜日)
     開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30〜13:00)
     基調講演 「コロナ後の世界と日本の政治」    (13:10〜14:10)
      政策研究フォーラム常務理事・上智大学教授  河崎  健 氏
 主催者挨拶:加藤秀治郎副理事長  来賓: 小林 正夫 参議院議員  来賓:坂田 幸治 電力総連会長
 基調講演:河崎 健 常務理事 閉会挨拶:谷藤 悦史 理事長       会場風景
  第一部会「中国の外交戦略にどう向き合うか」(14:20〜17:10)
 
第一部会の皆さん
 
   報告者 東京国際大学 特命教授   村 井 友 秀 氏
    〃  慶応義塾大学教授   加 茂 具 樹 氏
    〃   笹川平和財団 上席研究員   渡 部 恒 雄 氏
   司会者 平成国際大学教授   和 田 修 一 氏
 村井氏は、永遠の隣国であり「遠交近攻」。日本の中で国際法の理解が深まっていないと述べ。 加茂氏は、中国がすすめる構造的権力の強化とは、自らに有利なように行動させる権力で、 国際秩序においてそのルールの順守を強制できる国家が持つ権力と述べた。 渡辺氏は、バイデン政権になっても、米中対抗関係は続くため日本の舵取りは難しいが、 同盟国の日本の重要性は変わらないと述べた。
   報告者:村井 友秀 氏  報告者:加茂 具樹 氏   >報告者:渡部 恒雄 氏   司会者:和田 修一 氏
   第2日(2月25日・木曜日)
  第二部会「国際経済はどこに向かうのか」  (9:30〜12:10)
   報告者 国際貿易投資研究所 研究主幹 高 橋 俊 樹 氏
第二部会の皆さん
 
    〃  中央大学教授   谷 口 洋 志 氏
    〃  亜細亜大学アジア研究所
               特別研究員
  石 川 幸 一 氏
   司会者 政策研究フォーラム常務理事   大 岩 雄次郎 氏
 高橋氏は、バイデン政権は国内産業の競争力を引き上げながら質の高い雇用を確保するという点で異なるアプローチとし、 米国は中国等のアジア経済圏を含むTPP11から締め出されることに不快感を示す可能性があると述べた。 谷口氏は中国国内リスクとして経済は自由にコントロールできないとし、中長期的には政治的リスクを伴う中成長と述べた。 石川氏はコロナ後のASEANの展望と課題として2021年に緩やかな回復とし、 ジェトロの日系企業調査では中国は2021年前半にビジネスが正常化すると多くが答えていると述べた。
  報告者:高橋 俊樹 氏  報告者:谷口 洋志 氏  報告者:石川 幸一 氏  司会者:大岩 雄次郎 氏
 
   第三部会「日本経済の再生と成長戦略」  (13:10〜15:50)
   報告者 みずほ総研 主任研究員   岡 田   豊 氏
第三部会の皆さん
 
      〃  国際基督教大学 客員教授   齋 藤   潤 氏
      〃  日本総合研究所 副理事長 山 田   久 氏
   司会者 中央大学教授   川 崎 一 泰 氏
 岡田氏は、コロナ禍は人が住まない街の脆弱さを露呈し、職住游近接が容易な地方都市にチャンスが巡ってくるも、 特色のない街は地域間競争を勝ち抜くのは難しいとも述べた。齋藤氏は、高齢化・人口減少がもたらす成長力低下克服のための4つの方策として、 労働生産性の引き上げ、労働参加率の引き上げ、出生率の引き上げ、外国人労働者の受け入れをあげた。 山田氏は、パンデミックのインパクトとして当面は「9割5分経済」の状態が持続すると見解を述べた。
  報告者:岡田  豊 氏   報告者:齋藤  潤 氏   報告者:山田  久 氏   司会者:川崎 一泰 氏
            ☆詳細は会員誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2020年「全国会議」概要報告
・日 時:2020年2月12日(水)〜13日(木)
・会 場:大田区産業プラザPiO「小展示ホール」(東京都大田区南蒲田1-20-20)
・参加者:230名
総合テーマ「令和日本の展望と課題」
☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

平成から令和へと時代が移りました。平成の30年間を振り返るなら、まさに激動の時代でした。
 政治的に見ると、「55年体制」と呼ばれた自民党の一党優位が崩れ、連立政権時代へと移りました。平成21年(2009年)の衆議院選挙では民主党が単独過半数を獲得し、 民主党を中心とした連立政権がつくられました。しかしながら、連立政権内での足並みの乱れや、東日本大震災という未曾有の自然災害への対応に追われて崩壊しました。 代わって自民・公明の連立政権が復活し、その後自民党内では、「安倍一強」の政治が続いています。
 経済面では、平成2 年(1990年)までにバブル経済が弾け、「失われた30年」とも言われるように、今日でも低成長から抜け出せない状況が続いています。 平成20年(2008年)には、アメリカ発の金融危機(リーマン・ショック)で世界的に株価が暴落し、日本経済も大きな打撃を受けました。 その後に株価は回復しましたが、富の格差は拡大したままです。社会的には少子高齢化がますます進み、 地方で深刻化する若年層人口の減少は、地方の活力を奪いかねない問題になっています。 平成は、阪神淡路大震災、東日本大震災、大型台風の襲来による相つぐ被害など、大規模な自然災害が数多く生じた30年でもありました。
 国際的に見れば、平成の始まりはヨーロッパでの冷戦終結と重なります。米ソ間やヨーロッパで、全面戦争の脅威は大きく低下しました。 ところがアジアでは、北朝鮮の核・ミサイル開発と中国の軍事増強や領土拡大などの動きの中で、安全保障をめぐる環境は冷戦期よりも益々悪化しています。 このように激動の平成から令和へと、時代は変わりましたが、平成の多くの課題は、そのまま新しい時代に引き継がれることになっています。
 今回の全国会議では、「令和日本の展望と課題」と題し、令和がどのような課題とともに始まり、その新しい時代にいかなる展望を持つことができるかについて焦点を当て、論議を展開致しました。 初日の第1 部会では、東アジアをめぐる国際政治と安全保障を取り上げ、北朝鮮の核・ミサイル開発、中国の海洋進出、アメリカと中国の対立などの中で、 日本はどのように対応すればよいのかについて論議を行いました。2 日目の第2 部会では、日本経済自体に焦点を当て、平成の30年の問題を振り返りつつ、 「持続的な経済成長」のために、日本経済の再生に求められる「真」の構造改革について論議を行いました。第3 部会は、 「ポスト税と社会保障一体改革」と位置付けられる全世代型社会保障を取り上げ論議を行いました。
 今回の全国会議では、令和という新時代の幕開けにあたり、令和の展望と課題について多様な視点から論議を深めることができました。
   第1日(2月12日・水曜日)
     開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30〜13:00)
     基調講演 「令和日本の展望と課題」        (13:10〜14:10)
      政策研究フォーラム理事長・早稲田大学教授  谷藤 悦史 氏
 主催者挨拶:谷藤 悦史 理事長  来賓:坂田 幸治 電力総連会長  来賓:小林 正夫 参議院議員
 基調講演:谷藤 悦史 理事長  閉会挨拶:加藤 秀治郎 副理事長       会場風景
  第一部会「東アジアの政治・安全保障環境と日本」(14:20〜17:10)
 
第一部会の皆さん
 
   報告者 上智大学教授   前 嶋 和 弘 氏
    〃  同志社大学教授   浅 野  亮 氏
    〃  元横須賀地方総監(海将)   堂 下 哲 郎 氏
   司会者 平成国際大学教授   和 田 修 一 氏
 前嶋氏は、アメリカが作った「自由で開かれた国際秩序」の破壊、理念重視から「国益」重視へ。 「トランプ現象」は必然かと述べた。浅野氏は解釈の対象が中国の場合、特に注意すべきこととして、宣伝と実態を峻別し、 不利な状況下で無理はせず、保身のための口実にも利用すると述べた。堂下氏は、令和日本の課題として、 国家として国益のためのリスクをとれる体制をつくることと述べ。3氏は討議を深めていった。
   報告者:前嶋 和弘 氏  報告者:浅野 亮 氏   報告者:堂下 哲郎 氏   司会者:和田 修一 氏
   第2日(2月13日・木曜日)
  第二部会「日本経済の求められる『真』の構造改革」(9:30〜12:10)
   報告者 大正大学教授 小 峰 隆 夫 氏
第二部会の皆さん
 
      〃  東京財団政策研究所 研究主幹   小林 慶一郎 氏
      〃  モルガン・スタンレーMUFG証券
         シニアアドバイザー
  ロバート・フェルドマン 氏
   司会者 政策研究フォーラム常務理事   大 岩 雄次郎 氏
 小峰氏は、日本経済の評価としては、「実感なき景気拡大」か、「実感なき景気後退」のどちらかで大差ないと述べた。 小林氏は、なぜ低金利・低インフレが続くのか報告し、財政への信認が維持されれば、デフレ均衡が続く可能性があるとも述べた。 ロバート・フェルドマン氏は、2005年から2017年までは教育費は一定、研究開発費は微減。しかし社会保障費は4.7兆円増。医療費は9.7兆円増。 このような歳出構造に持続性があるかどうかが問題。真の構造改革の必要性を述べた。
  報告者:小峰 隆夫 氏  報告者:小林 慶一郎 氏  報告者: ロバート フェルドマン 氏  司会者:大岩 雄次郎 氏
   第三部会「全世代型社会保障の行方」   (13:10〜15:50)
   報告者 中央大学大学院教授   真 野 俊 樹 氏
第三部会の皆さん
 
      〃  嘉悦大学教授   和 泉 徹 彦 氏
     〃  法政大学教授   小 黒 一 正 氏
   司会者 中央大学教授   川 崎 一 泰 氏
 真野氏は、資本市場に飲み込まれる可能性があるヘルスケア産業(含むメディカル)と、 今までの社会保障という位置づけの境界線をどう置くかという視点で報告された。和泉氏は、教育は社会保障に含まれるのかとして、 全世代型社会保障改革は、多様な学び、多様な働き方、多様なライフスタイルに応じて安心できる社会保障制度を目指すべきとした。 小黒氏は、年金改革の方向性、財政検証では後期高齢者医療制度の診療報酬に自動調整メカニズムを導入すべきと見解を述べた。
  報告者:真野 俊樹 氏   報告者:和泉 徹彦 氏   報告者:小黒 一正 氏   司会者:川崎 一泰 氏
            ☆詳細は機関誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2019年「全国会議」概要報告
・日 時:2019年2月21日(木)〜22日(金)
・会 場:大田区産業プラザPiO(東京都大田区南蒲田1-20-20)
・参加者:284名
総合テーマ「激変する国際社会と日本の活路」
☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

 2018年は、これからの日本と世界を考える上で重要な年でした。相変わらず安倍一強は続いているものの、 9月の自民党総裁選では、対抗馬の石破茂氏が予想を上回る得票をしました。 このことは、地方を中心に自民党関係者にも安倍政権への不満や不安が高まっていると感じています。政権側もその辺りを意識したのかどうか、 11月以降、入国管理法改正による外国人労働者の積極的な受け入れ策を実施しました。人手不足に悩む地方の声に応えようということのようですが、 果たして首尾よく進むのでしょうか。野党のいうように拙速感は否めませんが、長期的には外国人労働者のさらなる受入れを避けたいのも事実です。
 外交は、秋の米国中間選挙で共和党は下院の過半数を失い、トランプ政権は苦境に立たされたとも言われます。 民主党多数派の下院に配慮して大統領は対日貿易に厳しい注文をつけてくると思われます。他方、ロシアのプーチン大統領は、 9月のウラジオストックでの「東方経済フォーラム」で、安倍首相に対して「前提条件なしでの昨年中の平和条約締結」という大胆な提案をしましたが、 具体的な成果は上がっていません。アジアでも韓国の徴用工判決や対中対立の行方はもちろん、米朝会談の動向も気になります。
 今回の全国会議では、「激変する国際社会と日本の活路」と題して、国際情勢の最新動向、国際経済の諸問題、日本政治の近況について、 専門家の方々を交えた論議をいたしました。初日の第1部会では、「激変する国際政治と日本の対応」について、 米ロの最新動向を交えた日本と東アジア情勢の解説とこれからの日本の動向について論議を行いました。2日目の第2部会では、 「対立する国際経済関係と日本の活路」について、米国第一主義に端を発する国際関係の緊張、米中貿易戦争、英国のEU離脱、 日米TAG交渉などについて論議を行いました。第3部会では、「混迷する日本政治の活路」について、 安倍政権を中心とする政局の動向と春の統一地方選挙および夏の参議院選挙についての分析、安倍政権や日本政治の中長期的な問題点等について論議を行いました。
   第1日(2月21日・木曜日)
     開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30〜13:00)
     基調講演 「激変する国際社会と日本の活路」  (13:10〜14:10)
      政策研究フォーラム常務理事・中央大学教授  谷口 洋志 氏
司会:主催者挨拶:加藤 秀治郎副理事長  来賓:岸本 薫 電力総連会長  来賓:小林 正夫 参議院議員
基調講演:谷口 洋志 常務理事  閉会挨拶:谷藤 悦史 理事長  会場風景
  第一部会「激変する国際政治と日本の対応」(14:20〜17:10)
 
第一部会の皆さん
 
   報告者 北海道大学名誉教授   木 村 汎 氏
     〃  東京国際大学国際戦略研究所教授   村 井 友 秀 氏
     〃  平成国際大学教授   和 田 修 一 氏
   司会者 東洋大学名誉教授   加 藤 秀治郎 氏
 木村氏は、プーチン大統領の戦術・戦略と日露が2019年度中の平和条約締結に否定的な見解を述べるとともに、 北方領土返還は困難と述べた。村井氏は「中国の夢」と日本の未来と題し、中国共産党の戦略ならびに中国共産党の権力構造について報告された。 和田氏は、トランプ外交の特徴や北東アジアでの国際関係の変化について報告された。3氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった
  報告者:木村 汎 氏  報告者:村井 友秀 氏  報告者:和田 修一 氏  司会者:加藤 秀治郎 氏
   第2日(2月22日・金曜日)
  第二部会「対立する国際経済関係と日本の活路」(9:30〜12:10)
   報告者 参議院議員 大 塚 耕 平 氏
第二部会の皆さん
 
      〃  キヤノングローバル戦略研究所   小手川 大助 氏
      〃  東洋大学教授   中 北 徹 氏
   司会者 東京国際大学教授   大 岩 雄次郎 氏
 大塚氏は、日米欧中の動きと米中貿易戦争、半導体製造工程における日本の危うさ、マネタリーベースと株価について報告された。 小手川氏は、北朝鮮と国際情勢、中国情勢、米国中間選挙と米中交渉の見通しについての見解を述べた。中北氏は、米中新冷戦とその中での日本の活路について、 米中対立は貿易・通商分野のみならず、政治・外交・軍事におよぶトータルな対立、摩擦へと広がってくるとの見解を述べた。3氏は会場からの質問に答えながら、 討議を深めていった。
  報告者:大塚 耕平 氏  報告者:小手川 大助 氏  報告者:中北 徹 氏  司会者:大岩 雄次郎 氏
   第三部会「混迷する日本政治の活路」(13:10〜15:50)
   報告者 共同通信社総合選挙センター長   池 田 健 夫 氏
第三部会の皆さん
 
      〃  ノンフィクション作家、評論家   塩 田 潮 氏
     〃  成蹊大学教授   高 安 健 将 氏
   司会者 上智大学教授   河 崎 健 氏
 池田氏は、統一地方選挙の投票率推移と党派別当選者割合の推移、ならびに参議院選投票率の推移と、 世論調査と投票行動ならびに参議院選挙の行方について報告された。塩田氏は、安倍首相の評価と安倍一強と政党政治の今後、 参議院選挙と今年前半の政治についての見解を述べた。高安氏は、健全な政党間競争の必要性とともに、官僚機構の忖度政治の弊害、 そして野党のあり方について見解を述べた。3氏は会場の質問に答えながら、討議を深めていった。
  報告者:池田 健夫 氏  報告者:塩田 潮 氏  報告者:高安 健将 氏  司会者:河崎 健 氏
            ☆詳細は機関誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2018年「全国会議」概要報告
            ・日 時:2018年2月22日(木)〜23日(金)
            ・会 場:大田区産業プラザPiO(東京都大田区南蒲田1-20-20)
            ・参加者:282名
             総合テーマ「混乱する世界と日本の進むべき道」
             ☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

 2017年は激動ともいえる年でした。都知事選を受けての東京都議選での小池ブームは、女性初の総理誕生さえ予感させるものでした。 しかし、小池新党や野党共闘などが整わないすきを狙っての安倍首相の大義なき解散・総選挙はこうしたムードを壊す効果すら持っていたようです。
 結果は、小池新党である希望の党の失速、民進党の分裂などにより、小選挙区制という選挙制度も相まって、自民党の圧勝という予想外のものに終わりました。 この結果には、北朝鮮の危機などの要因が強く働いていたようです。トランプ大統領の誕生によって、世界情勢は軍事衝突の可能性まで出ています。 こうした情勢の中で、日本は経済大国としてどのような行動を取るべきなのでしょうか。 今回の全国会議では、「混乱する世界と日本の進むべき道」を総合テーマに、 国際情勢、AIなどによる産業革命、離合集散をくり返す野党の再編について論議いたしました。
 初日の第1部会では、「東アジアと日本」と題して、様々な危機や問題を抱える東アジア情勢の解説と日本の取るべき対応について議論します。 北朝鮮の危機のみならず、中国や韓国の反日感情にどのように対応するかといったことも、今後の日本外交や防衛に大きな影響をもたらしかねません。 現場に詳しい元海上幕僚長の古庄氏などをお迎えし、現実的な議論を展開しました。
 2日目午前の第2部会では、「第4次産業革命と日本経済」について議論いたしました。 AIなどを中心とした第4次産業革命は、日本人の働き方を変える効果を持つといわれています。 産業革命については、さまざまな議論が展開されていて、分かりにくくなっています。 どのくらいの労働人口を削減する効果を持つのか、働き方そのものの改革をもたらすものとなりうるのか、 そして、教育・訓練や能力開発についても議論を展開いたしました。
 午後の第3部会では、「日本の新たな政党政治を求めて」をテーマにしました。小池劇場は、 政党そのものを崩壊し政党よりも党首の人気だけで闘うことを全面に押し出したように感じます。 また、官邸主導で行われる与党の政策も政党を無視しているかのようです。 政界再編も含めて、改めて政党政治について、先の総選挙で引退された前衆議院副議長の川端達夫先生をお迎えし、政治の現実に即した議論をいたしました。
   第1日(2月22日・木曜日)
     開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞       (12:30〜13:00)
     基調講演 「混乱する世界と日本の進むべき道」   (13:10〜14:10)
      政策研究フォーラム常務理事・中央大学教授    谷口 洋志 氏
司会:加藤秀治郎 副理事長 主催者挨拶:谷藤 悦史理事長 会場風景
来賓:岸本 薫 電力総連会長 来賓:小林 正夫 参議院議員 基調講演:谷口 洋志 常務理事
   第一部会「東アジアと日本」14:20〜17:10)
第一部会の皆さん
 
   報告者  元海上幕僚長    古 庄 幸一 氏
     〃   麗澤大学客員教授    西 岡   力 氏
     〃   PHP総研主任研究員    前 田 宏子 氏
   司会者 明星大学教授    山 崎 元泰 氏
 古庄氏は、これからの安全保障は単に『東アジア・日本』では問題解決できず、全世界の問題として捉え、 日本の現状とは何か、どう対処すべきかを報告された。 西岡氏は、北朝鮮情勢ならびに従北革命が進行している韓国の現状問題について報告された。 前田氏は、中国外交の変容と日中関係と題し、今後の日中関係と日本の対応について報告された。 3氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった。
報告者:古庄 幸一 氏 報告者:西岡 力 氏 報告者:前田 宏子 氏 司会者:山崎 元泰 氏
   第2日(2月23日・金曜日)
   第二部会「第4次産業革命と日本経済」(9:30〜12:10)
   報告者 日本ILO協議会企画委員  熊 谷 謙 一 氏
第二部会の皆さん
 
      〃  東洋大学教授    川 崎 一 泰 氏
      〃  明海大学講師    萩 原 理 沙 氏
   司会者 東京国際大学教授    大 岩 雄次郎 氏
 熊谷氏は、第4次産業革命の内容、国際機関の見解、日本での予測と現状、労働分野での対応と課題、 日本労使の課題と挑戦について報告された。川崎氏は、日本のIT投資と生産性について図表を基に報告され、第4次産業革命は人間の仕事を奪うのか、 補完するかについて述べた。萩原氏は、AI・IoTの導入による懸念や置き換え、失業への対応策としての能力開発ならびに教育・訓練の促進について報告された。 3氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった。
報告者:熊谷 謙一 氏 報告者:川崎 一泰 氏 報告者:萩原 理沙 氏 司会者:大岩 雄次郎 氏
   第三部会「日本の新たな政党政治を求めて」(13:10〜15:50)
   報告者 前衆議院副議長   川 端 達 夫 氏
第三部会の皆さん
 
      〃  早稲田大学教授   谷 藤 悦 史 氏
     〃  平成国際大学教授   石 上 泰 州 氏
   司会者 東洋大学名誉教授   加 藤 秀治郎 氏
 川端氏は、ご自身の長きに亘る議員経験を踏まえた体験談と、現在の政治情勢および現状の野党体制についての懸念と見解を述べた。 谷藤氏は、世界のポリュリズム政治の広がりは日本にとっても無縁ではないと報告され、安倍政治の脆弱性、日本の野党に求められるもの、 そして新たな政党制についての見解を述べた。石上氏は、地方選挙における野党の動向として、首長選挙および議会選挙における政党との関係について、 図表を基に報告され、討議を深めていった。
報告者:川端 達夫 氏 報告者:谷藤 悦史 氏 報告者:石上 泰州 氏 司会者:加藤秀治郎 氏
            ☆詳細は機関誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2017年「全国会議」概要報告
             ・日 時:2017年2月23日(木)〜24日(金)
             ・会 場:コクヨホール(東京都港区港南1-8-35)
             ・参加者:319名
              総合テーマ「日本の活路をどう切り拓くか」
              ☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

 2016年は、参議院選挙のほか、予定外の東京都知事選挙などが行われました。参院選では、最高裁の違憲状態判決を受け、初めて合区がなされ、 今までの都道府県別選挙区割りが大きく変更されて実施されました。 そうした中で、野党共闘が組まれ、1人区では野党が善戦をしましたが、全体としてみれば自民党の一強体制を崩すことはできませんでした。
 国外に目を向けると、アメリカではメディアの予想に反してトランプ新大統領が誕生することになり、 その選挙戦中のさまざまな発言から日米関係での不安も広がっています。中国の海洋進出や、北朝鮮の核問題など、東アジアの不安定な状況が続いているため、 日米同盟がどうなるのか、懸念も広がっています。
 国内では、年金法案やTPP法案、IR法案など、国民の理解が広まらないまま、与党による採決が強行され、 自民党の数を背景とした「横暴」とも言える政権運営がなされています。 国民を置き去りにした政権運営の下でありながら、与党は内閣支持率、政党支持率ともに堅調を維持しています。
 このような国際情勢、国内情勢の下、日本のあり方を国民の意向に沿った方向に大きく転回させるには、どうしたらよいかという観点から、 2017年の全国会議は、「日本の活路をどう切り拓くか」を統一テーマとしました。
 第1部会では、トランプ新大統領の誕生で不安視される日米関係を中心に、「新たな日米関係をどう切り拓くか」、広く東アジア情勢などを踏まえて論議し、 今後の日米関係の方向性を討論しました。
 第2部会では、消極的なものでありながら、支持を集め、長期政権まで視野に入れている現在の安倍体制、「一強多弱」の状況を中心に、 「『一強多弱』の閉塞感をどう克服するか」を討論し、国内情勢や欧米の政党政治などを比較しながら、一強多弱を打破する方策を模索しました。
 第3部会では、経済政策としてアベノミクスへの国内外の評価は低いにもかかわらず、それに関連したTPPや金融などの政策を強行に推し進めています。 こうした経済政策に対して、「日本経済の閉塞感をどう切り拓くか」をテーマに、新たな経済政策を討論しました。
   第1日(2月23日・木曜日)
     開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30〜13:00)
     基調講演 「日本の活路をどう切り拓くか」      (13:10〜14:10)
      政策研究フォーラム理事長・早稲田大学教授  谷藤 悦史 氏
司会:谷口 洋志 常務理事 主催者挨拶:谷藤 悦史理事長     会場風景
来賓:高倉 明 日産労連会長 来賓:高木 義明 衆議院議員 基調講演:谷藤 悦史理事長
   第一部会「新たな日米関係をどう切り拓くか」(14:20〜17:00)
   報告者 民進党・衆議院議員    長 島 昭 久 氏
第一部会の皆さん
 
     〃  キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹    小手川 大助 氏
      〃  拓殖大学海外事情研究所・所長    川 上 高 司 氏
   司会者 筑波学院大学名誉教授    浅 川 公 紀 氏
 長島氏は、北朝鮮のミサイル開発が予想以上に進展している中で、日米連携を更に強化すべきと述べた。 小手川氏は、トランプ政権の政策・人脈について報告し、世界ならびに米国経済の今後について見解を述べた。 川上氏は、米国大統領選挙におけるトランプ勝利の要因、人物像、日米同盟の2つのシナリオについて見解を述べた。 3氏と浅川氏は会場からの質問に答えながら、論議を深めていった。
 報告者:長島 昭久 氏  報告者:小手川 大助 氏  報告者:川上 高司 氏  司会者:浅川 公紀 氏
   第2日(2月24日・金曜日)
   第二部会「『一強多弱』の閉塞感をどう克服するか」(9:30〜12:10)
   報告者 前参議院議員・元経済産業大臣  直 嶋 正 行 氏
第二部会の皆さん
 
      〃  上智大学教授    河 崎   健 氏
      〃  東洋大学名誉教授    加 藤 秀治郎 氏
   司会者 日本大学教授    岩 渕 美 克 氏
 直嶋氏は、現状の政党別・党派別の国会の勢力分野を報告し、旧民主党はマニフェストやシャドーキャビネット等、 イギリスの政党政治を手本としたが、うまく機能しなかったと述べた。河崎氏は、トイツ社会民主党の現状、ドイツにおける政党政治等について報告し、 日本に対する示唆を述べた。加藤氏は、55年体制の古い争点が、今も過大に重視され続けている体制からの脱却が重要であると述べた。 3氏と岩渕氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった。
 報告者:直嶋 正行 氏  報告者:河崎 健 氏  報告者:加藤 秀治郎 氏  司会者:岩渕 美克 氏
   第三部会「日本経済の閉塞感をどう切り拓くか」(13:10〜15:50)
   報告者 民進党・参議院議員    大 塚 耕 平 氏
第三部会の皆さん
 
      〃  帝京大学教授    宿 輪 純 一 氏
     〃  中央大学教授    谷 口 洋 志 氏
   司会者 東海大学特任教授    川野辺 裕 幸 氏
 大塚氏は、技術革新の加速が経済に与える影響、マネタリーベースと金利ならびに株価の動向について報告し、見解を述べた。 宿輪氏は、米国トランプ政権の経済政策の考え方、ならびに日本の金融政策が限界にあると主張され、将来不安が閉塞感の原因と述べた。 谷口氏は、グローバル経済見通しについてデータを基に報告し、米国と中国のインフラ建設、そしてインドの経済成長に注目すべきと述べた。 3氏と川野辺氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった。
 報告者:大塚 耕平 氏  報告者:宿輪 純一 氏  報告者:谷口 洋志 氏  司会者:川野辺 裕幸 氏
            ☆詳細は機関誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2016年「全国会議」概要報告
             ・日 時:2016年2月25日(木)〜26日(金)
             ・会 場:コクヨホール(東京都港区港南1-8-35)
             ・参加者:318名
              総合テーマ「不透明な時代をどう打開するか」
              ☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

 2015年は、今後の日本の行方を決めるさまざまな法案が成立した1年でした。
 安全保障関連法案は、各種調査などから分かるように、国民の理解が進んでいない中で、強引な手法で成立しました。 国会審議も法案の内容はほとんど説明されず、自衛隊の海外派遣に関する論議に明け暮れました。法案の全体像は、いまだに明確になっておりません。 国会の混乱によって安倍内閣の支持率は一時的に低下し、不支持率が上回る結果となりました。無責任な国会運営が行われてきた証でも有ります。 他方で、法案成立後、支持率が持ち直しました。このような世論の動きは、野党側の責任も少なからず関係しているようです。
 安倍政権は、法案成立後に「新3本の矢」を提案しました。「3本の矢」についての成果が定まっていない中で、新たな政策を打ち出したように見えますが、 単なる努力目標の表明に過ぎません。 具体的な政策が付されているわけではなく、小泉流のキャッチ・フレーズ政治を彷彿とさせるもので、多くの国民を惑わすように思えてなりません。 どのように日本政治を展開するかが、全く見えてこないのが今日の現状です。
 こうした政治状況を踏まえ、2016年「全国会議」では、谷藤悦史理事長の「不透明な時代をどう打開するか」と題する基調講演の後、 日本を取り巻くさまざまな課題に対して、どのように対応すべきかについて提言を打ち出すべく論議を進めました。
 中国が対米・対英・対韓など積極的な外交姿勢を打ち出す一方で、南沙諸島をめぐる強硬姿勢を崩さない中国の戦略にどう向き合うかを第1部会で論議しました。
 10%への消費税増税を見据え、わが国の社会・経済の大きな課題である、税と社会保障の一体改革はどうあるべきかを第2部会で論議しました。
 そして、安倍内閣による安保関連法案の成立を受け、今後の焦点は憲法改正論議に移行しつつあることから、 安全保障・憲法の課題にどう向き合うかを第3部会で論議しました。
 それぞれの部会では学識者、研究者、国会議員によるパネルディスカッションならびに参加者からの質問に応える形で論議を深めることができ、 有意義な「全国会議」となりました。
   第1日(2月25日・木曜日)
     開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30〜13:00)
     基調講演 「不透明な時代をどう打開するか」   (13:10〜14:10)
      政策研究フォーラム理事長・早稲田大学教授  谷藤 悦史 氏
司会:岩渕 美克常務理事 主催者挨拶:谷藤 悦史理事長 会場風景
来賓:高倉 明 日産労連会長 来賓:高木 義明 衆議院議員 基調講演:谷藤 悦史理事長
   第一部会 「中国の戦略にどう向き合うか」(14:20〜17:00)
第一部会の皆さん
 
   報告者 東京国際大学教授              村 井 友 秀 氏
     〃  慶應義塾大学教授              加 茂 具 樹 氏
     〃  産経新聞社特別記者・論説委員    湯 浅   博 氏
   司会者 アジア経済研究所・副主任研究員    松本 はる香 氏
 村井氏は、周辺脅威バランスを見ると、日本にとって中国が最も脅威であるとし、中国共産党の軍事戦略について述べた。 加茂氏は、日本の対中観と中国の国際戦略を述べ、日中間の「安全観」のキャップを指摘した。 湯浅氏は、米国の力の空白に中露が挑む奇妙な冷戦構造、米中の2つの転換点等について報告した。 3氏と松本氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった。
報告者:湯浅 博 氏 報告者:加茂 具樹 氏 報告者:村井 友秀 氏 司会者:松本 はる香 氏
   第2日(2月26日・金曜日)
   第二部会 「税と社会保障の一体改革を問う」(9:30〜12:10)
   報告者 東京大学教授              吉 川   洋 氏
第二部会の皆さん
 
      〃  慶應義塾大学教授              駒 村 康 平 氏
      〃  民主党参議院議員    大 塚 耕 平 氏
   司会者 中央大学教授    谷 口 洋 志 氏
 吉川氏は、少子高齢化の進行に伴う社会保障の給付と負担の現状、社会保障・税の一体改革の姿などを報告した。 駒村氏は、2025年以降も持続する社会保障制度、ポスト社会保障・税一体改革、高齢者の社会参加の促進について提言した。 大塚氏は、国会議員の立場から、社会保障制度改革の流れ、一体改革関連法案および社会保障充実施策スケジュールについて報告した。 3氏と谷口氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった。。
報告者:大塚 耕平 氏 報告者:駒村 康平 氏 報告者:吉川 洋 氏 司会者:谷口 洋志 氏
   第三部会 「安全保障・憲法の課題にどう向き合うか」(13:10〜15:50)
   報告者 防衛大学校名誉教授              佐 瀬 昌 盛 氏
第三部会の皆さん
 
      〃  駒澤大学名誉教授              西    修 氏
   司会者 東洋大学名誉教授    加 藤 秀治郎 氏
 佐瀬氏は、憲法改正問題ならびに集団的自衛権問題についての歴史を解説し、安倍政権下の集団的自衛権行使容認論と今後の見通しについて報告した。 西氏は、安全保障法制を総括した上で、憲法改正の課題について述べた。 また、各国憲法の制定年と改正の実際および平和条項の態様と採用国数についてのデータを示し、憲法改正における日本の特異性を主張した。 3氏と加藤氏は会場からの質問に答えながら、討議を深めていった。
報告者:西 修 氏 報告者:佐瀬 昌盛 氏 司会者:加藤 秀治郎 氏
            ☆詳細は機関誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2015年「全国会議」概要報告
             ・日 時:2015年2月26日(木)〜27日(金)
             ・会 場:コクヨホール(東京都港区港南1-8-35)
             ・参加者:330名
              総合テーマ「日本の危機にどう対応するか」
              ☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。

 昨年末の解散と総選挙の大義は、予定されていた10%への消費税増税を回避することの是非を問うものでありましたが、与党内からも異論が出されることとなりました。
 突然の解散という安倍首相の戦略が功を奏し、与党圧勝の予測がメディアを駆け巡り、 その後やや揺り戻したものの自公で議席数の3分の2を維持する結果に終わりました。民主党も11議席増やしたものの、党勢復活には至りませんでした。 大義なき解散の影響は投票率に如実に表れ、前回を下回り戦後の総選挙で最低の結果となりました。2人に1人は投票に行かない選挙での与党大勝は、 民意を反映した政権とは程遠いものです。
 昨秋の国会で議論されるべき成長戦略、少子化問題とも表裏一体と言われる女性活躍、地方の元気を取り戻すための地方創生などは、 十分な議論がなされず閉幕を迎えました。
 こうした政治状況を踏まえ、2015年「全国会議」では、加藤秀治郎副理事長の「日本の危機にどう対応するか」と題する基調講演の後、 日本を取り巻くさまざまな危機に対して、どのように対応すべきかについて提言を打ち出すべく議論を進めました。
 先送りされた消費税増税をめぐる日本経済が抱える危機、とりわけ財政に関して、社会保障を取り上げながら第1部会で議論しました。
 東欧や中東に関する国際的な危機に対して、日本はどのように対処すべきかを第2部会で、通常国会で主要な課題である人口減による地方の危機を、 どのように克服して地方を創生していくかといった地方が直面する危機を第3部会で議論しました。
 それぞれの部会では司会者の進行により、学識者、研究者、国会議員によるパネルディスカッションならびに参加者からの質問に応える形で議論を深めることができ、 有意義な「全国会議」となりました。
   第1日(2月26日・木曜日)
     開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30〜12:50)
     基調講演 「日本の危機にどう対応するか」    (13:10〜14:10)
      政策研究フォーラム副理事長・東洋大学教授  加藤 秀治郎 氏
司会:岩渕 美克常務理事 主催者挨拶:谷藤悦史理事長 会場風景
来賓:高倉明 日産労連会長 来賓:直嶋 正行 参議院議員 基調講演:加藤 秀治郎副理事長
   第一部会 「日本経済が抱える危機」   (14:20〜17:10)
第一部会の皆さん
 
   報告者 東海大学教授              川野辺 裕幸 氏
    〃  民主党・参議院議員              大 塚 耕 平 氏
   討議者 慶應義塾大学教授    小 林 慶一郎 氏
   司会者 東京国際大学教授    大 岩 雄次郎 氏
 川野辺氏から、「持続可能な社会保障制度改革と国民的合意」さらには「産業政策と新しい成長インフラ」について報告があり、 大塚氏からは、現職の国会議員の立場で日本経済の現状について、小林氏からは、報告に対する意見ならびに課題の提起がなされ、 3氏が会場からの質問にも応えるなど、討議を深めていきました。
討議者:小林 慶一郎 氏 報告者:大塚 耕平 氏 報告者:川野辺 裕幸 氏 司会者:大岩 雄次郎 氏
   第2日(2月27日・金曜日)
   第二部会 「変化する国際状況と日本の国際危機管理」 (9:30〜12:10)
   報告者 新潟県立大学教授              袴 田 茂 樹 氏
第二部会の皆さん
 
    〃  民主党・参議院議員              大 野 元 裕 氏
   討議者 早稲田大学教授    谷 藤 悦 史 氏
   司会者 平成国際大学教授    和 田 修 一 氏
 袴田氏から、「ウクライナ問題と日本の対露政策」と題し、如何にロシアに対応すべきかについての報告があり、大野氏から、 現職国会議員ならびに中東問題の専門家として、現状報告ならびに対中東外交に対する見解が述べられました。
 谷藤氏からは報告に対する質問および問題点の提起がなされ、3氏が会場からの質問に応えるなど、討議を深めていきました。
討議者:谷藤 悦史 氏 報告者:大野 元裕 氏 報告者:袴田 茂樹 氏 司会者:司会者:和田 修一 氏
   第三部会 「地方創生と自治体の危機」   (13:10〜15:50)
   報告者 平成国際大学教授              石 上 泰 州 氏
第三部会の皆さん
 
   〃  中央大学大学院教授              細 野 助 博 氏
   討議者 日本大学専任講師    岩 井 義 和 氏
   司会者 日本大学教授    岩 渕 美 克 氏
 石上氏から、「地方創生の論点」と題し、地方創生の経緯と焦点について報告があり、細野氏からは、 「人口は未来を求めて移動する」と題し、産業の多様性が富を作ることから、連携して多様性を創出する重要性について、詳細なデータに基づき報告がありました。
 岩井氏は、日本地方自治研究学会等での研究を踏まえた見解を示され、3氏が会場からの質問に応えるなど、討議を深めていきました。
討議者:岩井 義和 氏 報告者:細野 助博 氏 報告者:石上 泰州 氏 司会者:岩渕 美克 氏
     閉会挨拶 政研フォーラム副理事長(東洋大学教授)  加藤秀治郎 氏

            ☆詳細は機関誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2014年「全国会議」概要報告
  
             ・日 時:2014年2月27日(木)〜28日(金)
             ・会 場:コクヨホール(東京都港区港南1-8-35)
              総合テーマ「この国の確かな道すじを求めて」

                  ☆多数ご参加いただき感謝申し上げます

 第46回総選挙に続く参議院通常選挙でも、民主党に対する逆風はやまず、大変厳しい選挙になったことは記憶に新しいと思います。 いわゆる「ねじれ」を解消した安倍内閣は、高い支持率を背景に次々と政策を実現しようと、55年体制下そのままに公共事業のばら撒きを行っています。 民主党政権では、財源確保の見通しに甘さがありましたが、安倍政権では国債乱発による財源確保が明白です。 結果的に、景気回復の美名に隠れて、日本の財政赤字はますます増大しています。  日本の将来はどうなるのか。このまま安倍政権に委ねてよいのか。確かに、民主党の政権運営は、豊かな成果はもたらすことはできませんでした。 それでは安倍政権に新しい確かな政策はあるのでしょうか。 個々の政策を見ると、行政改革や官僚人事など、民主党政権の政策の焼き直しに過ぎないものばかりです。 今回の全国会議では、「この国の確かな道すじを求めて」というメインテーマの下で、広く論議を行いました。 アメリカ経済やヨーロッパ経済の揺れといった世界情勢、 覇権主義を強める中国や強硬な韓国外交などの東アジア情勢などの外的要因や明るい未来を構想できない国内情勢の下で、 わが国が世界に向けて名誉ある地位を占めるために、どのような道すじを進み、どのような政策展開をしていくべきかを考えました。 谷藤悦史理事長の「この国の確かな道すじを求めて」と題する基調講演の後、第1部会では、「新しい政治の構想と戦略」と題して、 将来的に求められる政治構想や政治勢力の再形成などを具体的に論議しました。 2日目の第2部会では、安倍内閣以降悪化こそすれ好転しない東アジア情勢に関連して、 「緊迫する東アジア情勢と日本の憲法」と題して憲法問題を、外交・防衛の観点から考えました。 第3部会では、混迷する世界経済の中でかつての経済大国日本の復活を目指す方策を、 日本企業のグローバルな活躍を期待するという観点から「国際競争力と日本企業」と題して論議しました。 それぞれの部会では、研究者、評論家、メディア関係者など、多角的な視点から意見が出されました。
   第1日(2月27日・木曜日)
    開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30〜12:50)
    基調講演 「この国の確かな道すじを求めて」  (13:10〜14:10)
     政策研究フォーラム理事長・早稲田大学教授   谷藤 悦史 氏
司会:加藤秀次郎副理事長 主催者挨拶:谷藤悦史理事長 会場風景
来賓:高倉明 日産労連会長 来賓:木義明 衆議院議員 基調講演:谷藤悦史理事長
   第一部会 「新しい政治の構想と戦略」  (14:20〜17:10)
     報告者  ノンフィクション作家
  ・評論家
 塩 田   潮 氏
     討議者  民主党・衆議院議員              三日月 大造 氏
      〃   NHK解説委員  安 達 宜 正 氏
     司会者  日本大学教授  岩 渕 美 克 氏
 塩田氏から、「新しい政治の構想と戦略」と題し、安倍政権の課題や今後の見通し、さらには、政党政治の将来について報告がありました。 三日月氏からは現職の国会議員の立場で、安達氏からはメディアの視点や長年務めてきた政治記者の経験から、問題点や課題の提起がなされ、3氏が会場からの質問にも応えるなど、討議を深めていきました。
第一部会の皆さん
討議者:安達 宜正 氏
討議者:三日月 大造 氏
報告者:塩田  潮 氏
司会者:岩渕 美克 氏
   第2日(2月28日・金曜日)
   第二部会 「緊迫する東アジア情勢と日本の憲法」(9:30〜12:10)
     報告者  防衛大学校名誉教授  佐 瀬 昌 盛 氏
      〃   東洋大学教授  加 藤 秀治郎 氏
     討議者  駒澤大学名誉教授  西    修 氏
     司会者  三重中京大学名誉教授  浜 谷 英 博 氏
 佐瀬氏から、「緊迫する東アジア情勢と日本の憲法」と題し、安全保障や憲法を長年研究してきた知見に基づき、 今後のあるべき姿について報告があり、加藤氏から「憲法改正への道筋をつめよ」と題し、憲法改正論議の現状と課題について報告がありました。 西氏からは少し違った視点で問題点の提起がなされ、3氏が会場からの質問に応えるなど、討議を深めていきました
第二部会の皆さん
討議者:西  修 氏
報告者:加藤 秀治郎 氏
報告者:佐瀬 昌盛 氏
司会者:浜谷 英博 氏
   第三部会 「国際競争力と日本企業」    (13:10〜15:50)
     報告者  株式会社経営共創基盤(IGPI)
  代表取締役CEO
 冨 山 和 彦 氏
      〃   中央大学大学院教授  山 崎   朗 氏
     討議者  ジャーナリスト  森   一 夫 氏
     司会者  東京国際大学教授  大岩 雄次郎 氏
 冨山氏から、「国際競争力と日本企業」と題し、日本企業の強みと弱点、産業特性について、 詳細なデータに基づき報告、山崎氏からは、「求められる変化と変動への対応」と題し、市場構造の変化への対応の重要性について報告がありました。 森氏は少し違った視点で問題点や課題の提起がなされ、3氏が会場からの質問に応えるなど、討議を深めていきました。
第三部会の皆さん
討議者:森 一夫 氏
報告者:山崎 朗 氏
報告者:冨山 和彦 氏
司会者:大岩 雄次郎 氏
     閉会挨拶 政研フォーラム副理事長(東洋大学教授)  加藤秀治郎 氏

              ☆詳細は機関誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2013年「全国会議」開催報告
  
             ・日 時:2013年2月21日(木)〜22日(金)
             ・会 場:コクヨホール(東京都港区港南1-8-35)
              総合テーマ「新しい国際秩序形成に向けて」

 昨年末の総選挙の結果、民主党は大敗し自公連立政権が誕生することとなりました。 政策面での大きな転換が想定されています。 こうした結果をもたらした背景には、民主党が明示的な政策実効を上げられなかったこと、小選挙区制の持つ制度的特性に加え、 世界の政治・経済状況の大きな変化があります。
 リーマンショック後のアメリカの不況、ギリシアの財政危機に始まるヨーロッパの金融・財政不安などの経済危機は、日本経済に大きな影を落としています。
 3.11東日本大震災は、東北地方に莫大な被害を及ぼしたばかりでなく、日本経済も大きな打撃を受けています。 震災復興の遅れも日本経済の減速に拍車をかけ、いわゆるデフレスパイラルの増幅につながっています。 今回の総選挙でも、デフレスパイラルを抜け出すための財政政策が争点の一つになりました。
 さらに、隣国との領土問題が、日本の外交・防衛・経済に大きな影を落としています。
 今回の全国会議では、「新しい国際秩序形成に向けて」というメインテーマの下で、変容する世界情勢の中で、わが国が名誉ある地位を占めるために、 どのような政策を展開したらよいのかを考えたいと思います。
 第1部会では、「中国の国際戦略と日本」と題し、今後とも重要な関係を築くとこを求められている中国との関係を論議しました。 第2部会では、国際経済の中でいかに経済発展を維持するかといった問題を「混迷する国際経済と日本」と題して論議しました。 第3部会では、経済・外交の重要なパートナーである日米関係を「変容するアメリカと日本」と題して論議しました。
   第1日(2月21日・木曜日)
    開会式 開会の辞 主催者挨拶 来賓祝辞     (12:30〜13:00)
    基調講演 「新しい国際秩序形成に向けて」   (13:10〜14:10)
     政策研究フォーラム副理事長・東洋大学教授   加藤 秀治郎 氏
司会:徳田孝蔵専務理事 主催者挨拶:加藤副理事長 会場風景
来賓:高倉明 日産労連会長 来賓:木義明 衆議院議員 基調講演:加藤秀治郎 氏
   第一部会 「中国の国際戦略と日本」   (14:20〜17:10)
     報告者  防衛大学校教授  村 井 友 秀 氏
      〃   埼玉大学准教授  渡 辺 紫 乃 氏
     討議者  世界平和研究所主任研究員  吉 岡 孝 昭 氏
     司会者  武蔵野大学教授  浅 川 公 紀 氏
 村井氏からは、「中国の国際戦略と日本」、「渡辺氏からは、中国の対外援助外交にみる中国と国際社会の関わり」と題し、 それぞれ報告がありました。吉岡氏からは少し違った視点で問題点や課題の提起がなされ、 3氏が会場からの質問にも応えるなど、討議を深めていきました。
第一部会の皆さん
討議者:吉岡 孝昭 氏
報告者:渡辺 紫乃 氏
報告者:村井 友秀 氏
司会者:浅川 公紀 氏
   第2日(2月22日・金曜日)
   第二部会 「混迷する国際経済と日本」   (9:30〜12:10)
     報告者  法政大学大学院教授  小 峰 隆 夫 氏
     討議者  キヤノングローバル戦略研究所
               研究主幹
 小手川 大 助 氏
       〃   東洋大学教授  中 北   徹 氏
     司会者  東京国際大学教授  大 岩 雄次郎 氏
 小峰氏から、「世界経済の中での日本を考える五つの視点」と題し、詳細なデータに基づき、 日本経済の課題について報告があり、 小手川氏・中北氏からは少し違った視点で問題点の提起がなされ、3氏が会場からの質問に応えるなど、討議を深めていきました。
第二部会の皆さん
討議者:中北 徹 氏
討議者:小手川 大助 氏
報告者:小峰 隆夫 氏
司会者:大岩 雄次郎 氏
   第三部会 「変容するアメリカと日本」   (13:10〜15:50)
     報告者  元学習院大学教授  砂 田 一 郎 氏
     討議者  民主党・衆議院議員  長 島 昭 久 氏
      〃   大阪学院大学教授  佐 古   丞 氏
     司会者  武蔵野大学教授  浅 川 公 紀 氏
 砂田氏から、「オバマによる変革と分極化するアメリカ」と題し、大統領二期目の特徴点、 政策課題や共和党・民主党の支持母体の動向など詳細なデータに基づき報告がありました。 小手川氏・中北氏からは少し違った視点で問題点や課題の提起がなされ、3氏が会場からの質問に応えるなど、討議が深められました。
第三部会の皆さん
討議者:佐古 丞 氏
討議者:長島 昭久 氏
報告者:砂田 一郎 氏
司会者:浅川 公紀 氏
     閉会挨拶 早稲田大学教授、政研フォーラム理事長    谷藤 悦史 氏

      ☆多数ご参加いただき感謝申し上げます。
      ☆詳細は機関誌「改革者」4月号・5月号に掲載されます。
2012年「全国会議」概要報告
  
             ・日 時:2012年2月23日(木)〜24日(金)
             ・会 場:コクヨホール(東京都港区港南1-8-35)
                 総合テーマ「復興から再生へ」

                  ☆多数ご参加いただき感謝申し上げます

  3.11、東日本大震災から間もなく一年を迎えようとしていますが、死者は1万5千8百人を超え、行方不明の方も3千2百人を上回る、 自然災害としては未曽有の被害となっています。  また、地震と津波による福島第一原子力発電所の事故も、未だ多くの避難生活者抱え、冷温停止状態にあるものの、 放射能の影におびえながらの生活を余儀なくされています。  さらに、国際的な経済不況や財政危機が、日本の混迷に拍車をかけています。 ギリシアの財政危機に端を発したヨーロッパの金融・財政危機は、世界に広がりを見せ、 長期間にわたって震災の復興に多くの資源を投入しなければならないわが国に、暗い影を投げかけております。 今年の「全国会議」では、震災からの復興にとどまらず、その国難を乗り越え、さらに大きく日本が再生するための政策を提言すべく取り組みました。 総合テーマは、「復興から再生へ」です。 混迷する国際情勢、停滞著しい政治、混乱する経済の三つの分野について、 「基調講演」による問題提起、「第一部会」「第二部会「第三部会」」の討議を通じてその答えを探りました。
   第1日(2月23日・木曜日)
    開会式 開会の辞 理事長挨拶 来賓祝辞   (12:30〜13:00)
    基調講演 「復興から再生へ」           (13:10〜14:10)
     政策研究フォーラム理事長・早稲田大学教授    谷 藤 悦 史 氏
司会:岩渕美克氏 開会式 会場風景
開会挨拶:谷藤理事長
来賓:高倉明日産労連会長
来賓:木義明衆議院議員
基調講演:谷藤悦史理事長
   第一部会 「国際情勢と日本再生」      (14:20〜17:30)
     報告者 拓殖大学海外事情研究所教授   吉 野 文 雄 氏
      討議者 民主党・参議院議員          大 野 元 裕 氏
        〃   東京外国語大学大学院教授     渡 邊 啓 貴 氏
      司会者 武蔵野大学教授             浅 川 公 紀 氏
第一部会の皆さん
討議者:渡邊啓貴氏
討議者:大野元裕氏
報告者:吉野文雄氏
司会者:浅川公紀氏
   第2日(2月24日・金曜日)
    第二部会 「日本再生への政治課題」     (9:30〜12:10)
       報告者 東洋大学教授(政研フォーラム副理事長) 加藤 秀治郎 氏
         〃  三重中京大学教授             浜 谷 英 博 氏
       討議者 讀賣新聞論説副委員長          飯 田 政 之 氏
       司会者 日本大学教授(政研フォーラム常務理事) 岩 渕 美 克 氏
 
第二部会の皆さん
討議者:飯田政之氏
討議者:加藤秀治郎氏
報告者:浜谷英博氏
司会者:岩渕美克氏
   第三部会 「日本再生への経済シナリオ」   (13:10〜15:50)
      報告者 ソシエテジェネラル証券
            東京支店長兼調査本部長       島 本 幸 治 氏
        〃   早稲田大学教授              深川 由起子 氏
      討議者 立教大学大学院教授           松 本 和 幸 氏
      司会者 中央大学教授(政研フォーラム常務理事) 谷 口 洋 志 氏
 
第三部会の皆さん
討議者:松本和幸氏
討議者:深川由起子氏
報告者:島本幸治氏
司会者:谷口洋志氏
     閉会の辞 東洋大学教授、政研フォーラム副理事長    加藤 秀治郎 氏
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